fool's paradise ~愚者の楽園~

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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その8:#42伊藤大和、#44栗野+おまけ #FE名古屋

2018/06/03 21:48

 [42]伊藤 大和
1718伊藤大和 
 その構造上、どうしても関東の大学が存在感を示しがちな大学バスケ。そんな中、2017年度の中京大学はインカレでベスト8に進出し、翌年の東海学連の出場枠を奪って戻ってきたのだけど、その立役者になったのがこの伊藤大和。関東の大学のチーム相手にもやれるというところを見せて、特別指定の枠を勝ち取った格好だ。インカレが終わった12月に登録されると、ちょうどガード陣に怪我人が相次いでいたという事情も重なり、それなりの出場機会を与えられることとなった。
 登録の体重70kgという数字が表す通りフィジカルの強さという意味では限りなく紙に近いということもあり、プロレベルのガードの守備の圧力には苦労するシーンが目立ち、まずは身体作りから、という印象が強い今季のプレーぶりだった。守備は相手のハンドラーにマッチアップすることが多かったため問題が目立つシーンは少なかったが、恐らくフィジカルの問題は同様に抱えるだろう。しかしその一方でプレッシャーをうまくいなせたときのシュートの切れは長短問わず素晴らしく、外でシュートを打って良し、切り込んでフィニッシュして良しの大型ハンドラーになれるだけの資質を見せつけた。
 プロレベルの選手の体格という意味では185cmの選手の平均体重は80kg前後が相場のはずで、現在の大和は筋力量としてざっと10kgは足りていないということになる。身体の使い方でカバーするにしても、後5kg以上は身体を大きくしなければならないだろう。一朝一夕にはいかない話だし、筋力のつきやすさは体質にもよるのですぐに結果が出るわけではない。ただ、本人のスキルもさることながら、今の彼には「パワーをつけることにより、プレーに余裕が生まれる」ことが必要に思われる。プロバスケの世界に身を置いて最初のオフシーズン、技術、身体能力は十分なものを持ち合わせているように見える彼がどのように自らの肉体を作ってくるか、楽しみに待ちたいところだ。

[44]栗野 譲
1718栗野 
 昨季、島根の昇格に貢献したベテランが、今季はFE名古屋に降臨。昨季同様、ベテランのリーダーシップを外に求めるという形になった。練習試合を見に行った際にも出番がなく、ベテランのメンターの扱いであまり試合に出ないのだろうか、などと思っていたのだけど、さにあらず。開幕戦はいきなり18分の出場時間を与えられるなど、出場時間に波はありつつも、主にon1の時間帯に貴重な戦力としてプレーした。
 彼が重用された理由については、やはりコート上でのリーダーシップ、および、ポジショニングなどにおけるクレバーさが大きかったように思う。スペーシング、スクリーンのタイミング等、経験と戦術眼に裏打ちされたプレーはチームに非常にいい影響を与えていて、コート上に居る時といない時では別のチームのように思えることも珍しくなかった。また、コート上にいるときにはそのハッスルプレーで、ベンチにいるときも盛り上げ役としてチームの雰囲気を常に上げようという役割も担い、好プレーが出た時のベンチの振る舞いはブースターにとっての楽しみでもあった。チームで闘うこととは、というのをあらゆる意味で見せてくれたプロの姿に頭が下がる。
 今季終了後に引退となったことを考えると、地区優勝で送り出せたのは本当に素晴らしいことだったと思うし、その経歴や人脈、ビジネス感覚などを見ても、今後もFE名古屋とお付き合いいただければ非常にありがたい。また何かの形で手を取り合う日が来ることを、そしてそれが早いことを祈っている。

【おまけ】
[0]ハーバート・ヒル/Herbert Hill
 年始に書いた中間レビューで「彼の集中力が続くかが成績を左右しそう」などと書いていたら、そのまま契約解除となってしまった。その後外国籍選手の構成に悩む西宮に拾われ、そのままシーズン終了までプレー。29試合中22試合で2桁得点を達成するなど、外国籍選手としては一定の数字を残していたが、さりとて独力でチームに影響を与えるほどのインパクトが与えられるわけでもなく、というところで、来季も日本にいるのか、はたまた他の国でプレーするのかは微妙なような気はする。集中力が続きさえすればBリーグでもトップレベルと言っていい能力の持ち主なので、条件次第ではどこかに拾われるのかもしれない。
 今季序盤に苦しんだFE名古屋にあって、残り4分12秒12点差を逆転した信州戦はFEブースター全員の心に残った試合だと思うけれど、その立役者は紛れもなくハーブさんであった。これからの彼のバスケ人生に幸あれ。
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その7:#26神津、#41ジー #FE名古屋

2018/06/02 19:51

[26]神津 祥平
1718神津 
 キャプテンを務め、地区優勝を逃して涙にくれた昨季。迎えた今季はキャプテンの立場を伊藤大に譲り、背番号も杉本に譲って心機一転、というシーズンとなった。やはり昨季はキャプテンとしてチームを引っ張るという立場がかなりの重荷になっていたのだろう、今年はプレーしていても明るい表情が増え、また昨季よりも精神的にも肉体的にも安定した状態を保つことが出来ていたように思う。
 神津の武器と言えばその体格とステップワーク、そして柔らかさを兼ね備えた得点力。その一方で機動力という意味ではやや心もとない部分もあり、チームが昨季よりもボールや人を動かす攻撃を指向する中で、ややボールを保持するシーンが多く「重く」なりがちな彼の能力をどのように組み込むかに注目していた。結果としては懸念は杞憂に終わった、というより、「チームの指向するボールムーブやスペーシングが思うように発現できないとき、神津が1on1で取ってくる得点やフリースローがチームを助けていた」というべきかもしれない。自分より小さい相手にはパワーと高さで、大きい相手にはステップワークと技術で優位を築き、少しずつでも得点を重ねるところは、今季のチームをどれだけ助けたか分からない。
 冒頭で昨季との比較を出したが、今季は特に2PFG%が50%を超えてきており、また30分あたりで換算するとアシスト数なども大きく増加していて、チームの考える方向性にもアジャストする姿勢を見せつつ、自分のストロングポイントを出してチームに貢献する姿が、数字からも見えてくるように思う。
 その一方で機動力の不足は攻守両面で拭いがたく出てきてしまうのも事実で、攻撃面ではより速い選手に寄せられた時のターンオーバー増加、守備面では相手パスに振り回されることでカバーローテに穴があいたりファウルが嵩んだりする、というシーンが散見された。得点をしっかり取ってくれる分を考えれば収支は十分にプラスではあるのだけれど。昨季よく指摘された審判への異議の部分については今季は「審判にしっかり見てもらうためのコミュニケーション」の範疇で収まっていて、ベテランらしい落ち着きとともに良い役割を担っていた。
 年齢的にはまだ31と老け込む歳ではないとはいえ、機動力が伸びるというような年齢でないのも事実。ただ、「ボールを渡したら得点を積むことができる」選手であり、多少の粗はうまく隠して使っていくべき、と思わせる選手なのも間違いない。来季もたくさん神津コールをする機会があると良いなあと思っている。

[41]ギャレット・スタツ/Garrett Statz
1718ジー 
 今季開幕からB1島根に加入した7フッター。サイズとゴール近くで両手が使える堅実なセンターではあるが、B1ではパワーもしくは機動力の部分でどっちつかずになる面が大きく、成績不振に陥っていた島根はテコ入れ策として契約を解除する道を選択した。そこに目を付けたのが、新加入Cハーバート・ヒルの安定感のなさに悩んでいたFE名古屋で、契約解除からあまり間をおかずに契約、年明け早々からチームの一員となった。
 チームへのアジャストがどうなるか、というのがまず一つのチェックポイントだったが、これは全く問題がなく、年明けの福島戦で昨季のエースセンターかつ似たようなサイズのソロモン・アラビを相手にいきなり24Pts16Reb→28Pts18Rebの怪物じみた成績を残すと、結局トータル27試合のうち18試合で得点リバウンドのダブルダブルを叩きだすなど、大黒柱というにふさわしい成績を残した。怪我で2度ほど離脱したがあまり時間をかけずに戻ってこれたというのもポイントが高く、とくにプレーオフで痛みをおして帰ってきてくれたのは非常にありがたかった。そんなところにも彼の勤勉さが垣間見える。
 プレーについては決して器用でもしなやかでもないが、自分のストロングポイントがよく分かっていて非常に堅実。またシュートレンジも決して狭いわけではなく、時にはミドル~3Pも入れてくるようなスキルの持ち主でもある。身体能力もすごく高いわけではないが十分なパワーと高さを兼ね備え、インサイドでは強靭。やや機動力に欠くのが玉に瑕、といったところ。またチームにあっという間にフィットしたことやアシスト数を見ても分かるとおり賢く勤勉でなおかつ年齢もまだ28と若い。ジョシュと並んでいち早く再契約が発表されたが、チームの軸を定めるという意味で賢明な判断だったのではないだろうか。
 来季に向けては本人のスキルという部分より、彼が出ている時、出てないときの使い分けをいかに行っていくか、という使う側の問題が色濃く出そうだ。賢くて勤勉で責任感の強い選手だが、けして万能選手ではない。自分が点を取らなければいけないという責任感のあまり、ロングミドルを「打たされて」しまった熊本戦のような孤立無援の状態にならないよう、いかにチームに組み込み、チームの力にしていくのか。首脳陣と周りの選手の頭の中身が試される選手であることを意識して、次のシーズンも活躍できる環境を整えてあげてほしい。
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その4:#14兒玉、#15シェリフ・ソウ #FE名古屋

2018/05/26 23:40

[14]兒玉 貴通
1718兒玉 
 今シーズン、大塚商会アルファーズより脱サラ、プロとしてB2デビューを果たした兒玉。シーズン前の練習試合等で攻守ともにエネルギッシュなタイプという風に見ていたが、開幕戦の仙台戦で同じタイプのベテランスター志村に格の違いを見せつけられたのを皮切に、しばらくの間はB2の、特に守備の圧力にアジャストしきれない時期が続いた。
 しかし、裏では相当の努力を続けていたことだろう。状況は少しずつ変化していく。10月の終わりの対広島アウェーの節にて良い内容のプレーで能力を証明すると徐々に信頼とプレイングタイムを勝ち取っていき、3月に入るとやや精彩を欠く成田に代わってスタメン入り。最後までその座を守り続けた。
 彼の良さはもちろんその運動量を活かしたしつこい守備なのだけど、もう一つの特徴がドリブルからのプルアップジャンパーの正確さにあると思う。昨シーズンに比べてインサイドポストの比率を減らし、ピックからの展開を増やしたように見えるこのチームの攻撃にあって、ビッグマンのダイブで空いたギャップで彼が放つプルアップが非常に良いアクセントになっていたのは間違いない。また、そういうシュートが得意な割にはキャッチ&シュートも良く入っていて、3Pシュートが40%を超えてきたのは立派のひと言と言えるだろう。その上でシーズン終盤はドライブインからのフィニッシュの頻度も増やしていて、今シーズンを通して最も成長した選手といえるだろう。
 ただし、その身長はチームの穴になりがちというのも間違いないところで、直接的なポストアップであればまだチームの予測の範囲で対処が出来るのだけど、他のところでギャップが出来た後に彼が後追いでサイズの大きいシューターに当たるとなるともうこれはいかんともしがたい。来シーズンも本人のポジショニング、そしてチームとしてどれだけ精緻な守備のカバーローテやポジショニングが組めるか、というのは大きな課題になっていきそうだ。
 とはいえ、今シーズン彼がもたらした攻守でのエナジーを考えると、そうしてでも使うべき選手、という地位を自らの手でつかんだと言えるだろう。この成長をもたらしたのが同じタイプの志村に開幕でやられたこと、だとしたら志村には感謝しなければならない。ともかく、来年も一緒に闘いたい、さらなる成長を見たい選手の一人だ。

[15]シェリフ・ソウ
1718ソウ 
 昨シーズンはソロモンのバックアップとしてパワー不足に悩める日々を過ごしたシェリフ。今季は新規加入したビッグマンに力仕事を任せて3.5番的な役割で躍進を、というチーム構成で、プレシーズンまでの戦い方を見る限りそれはなかなかに面白い形であったと思うのだけど。細菌性髄膜炎、という思いもよらないアクシデントが彼を襲い、結果としてシーズンを棒に振ることとなってしまった。
 予後は大方良い病気であるとはいえ、悪い方向に向かうと復帰すら危うくなるだけに心配されたが、体調自体はすでに回復、トレーニングは順調に積めている様子なのは何より朗報だろう。
 外国籍の枠との問題もあるし、来日から数えておそらく10年、結婚もしたし社員選手として働けるレベルに日本語も堪能とくると、帰化という話が出てくるのも時間の問題で、リーグの外国籍選手のレギュレーションとの兼ね合いで、彼の扱いは変わってくるものと推測されるが、まずはフィジカルレベルを回復し、その上でスキル向上、というのが彼に求められるだろう。
 艱難辛苦汝を珠にす。今年の経験は、今後の彼の人生にも、現役生活にも、きっとプラスを与えてくれるはずだ。来季はコート上で、彼の不屈のプレーを見られることを切に願っている。
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その3:#12野﨑、#13成田 #FE名古屋

2018/05/25 20:50

[12]野﨑 零也
野﨑1718 
  昨季、3年生時に白鴎大のエースとしてインカレ3位を達成して特別指定選手としてチーム加入。その経験をもとに4年生になった2017年は春の関東トーナメントで準優勝、インカレも4位とチームを大学トップクラスに導いて、再度特別指定選手登録となった。大学のチーム事情なのか、同級生の伊藤大和に比べて合流が遅くなったこともあり、今季は出場機会を得ることは出来なかった。チームが終盤戦に熾烈な地区優勝争いをしていたことを考えるとそれも致し方ないことかもしれない。
 大学時代のプレーぶりを見る限り外のシュート良し、スピードとパワーで切り込んで柔らかくフィニッシュして良しの万能スコアラーで、大和とは違いフィジカルも強そうなので当たり負けの心配もなく、慣れればすぐに本領を発揮できそうだ。問題はどちらかというと守備面で、学生時代の試合を見ていても守備面で特別な強みを持っている選手ではなく、現行のチームの求める守備力に到達するにはある程度壁を乗り越える必要があるだろう。また、馬力があるタイプにはありがちなことだが、彼も神津や飛田と同じで油断したらすぐ太りそうな印象を持たせるタイプで、攻撃面の才能を活かすうえでも機動力とパワーを維持できる体重をコントロールすることが、このオフに求められそうにも思う。
 今年その能力を見せる機会はなかったが、チームがB1を目指すと発信している中で、ある程度のサイズと得点力のある選手を確保できたのは良いこと。来季は彼の得点が会場を沸かせるシーンをたくさん目にしたいところだ。

[13]成田 正弘
成田1718 

 昨季後半に特別指定選手として加入したのち、今シーズンは正式加入。が、すでにルーキーらしさは微塵もない。その理由は僕たちが既にプレーを見慣れているということもあるけれど、それ以上に彼がスピード・パワーともにB2のレベルをとっくに満たしていて、身体的な圧力を大して気にする様子がなかったということでもあり、そもそも彼が相当に図太い精神の持ち主だったということでもあるだろう。
 上背は決して大きくないが、持ち前のスピード、そして強靭な上半身で自分より大きい選手への守備も全く苦にしないというのが彼の最大の特徴。特に前半戦は守備面で相手のポイントガードを封じつつ、力強く速いドライブで相手守備を切り裂いて得点やアシストを積み上げ、チームに攻守で貢献していた。
 その流れが残念な方向に変わってしまったのは年末の怪我の後であり、兒玉がB2に慣れてきたころでもあるだろう。それまではPGの絶対的なファーストオプションだったが、徐々に重要な場面が兒玉に任されることが多くなっていった。理由はいろいろあるのだろうけれど、一つには彼のシュートが前年同様最後まで安定しなかったことにあるように思う。3P%が27.9%、FG%が33.2%は兒玉の3P%41.1%、FG%41.8%に比べるといかにも低い。それを見越して相手がそうさせているのかゲームメイクの結果故かは分からないが、彼が最後にタフショットを打たされて攻撃が終わるシーンが多かったように見えたのも、おそらく偶然ではないのだろう。
 結局終盤戦に再度に見舞われ、なおかつ宮崎の復帰でPGポジションで無理な復帰を促さなくて良くなったことで、シーズン最後まで復帰することはなかった。本人としても恐らく不完全燃焼のシーズンだったのではないだろうか。
 来季に向けてはまずは怪我を完治させることが一番なのだけれど、その上でやはり攻撃のリーダーとして、いかに攻撃を回し、自らもシュートを決めていくか。特にゲームメイクの部分については、彼は大きく進歩する必要があるように思う。幸いにしてチームには宮崎という良いお手本がいる。成田が攻撃をスムーズに組み立てつつ、自分のFG%も40%を超えるようなプレーができれば、チームはB1という目標に大きく近づいていけるはずだ。
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その2:#5伊藤大、#11杉本 #FE名古屋

2018/05/24 13:39

[5]伊藤 大
 伊藤大1718
 今シーズンのキャプテン。お勤めご苦労様です。今季のびのびやれてる神津さんの姿を見ても彼がキャプテンとなったのはチームとして正しかっただろう。本人はガラじゃないなんて思っていたようだけれど、精神的にブレることなく常に自分にできることを全力、という彼の背中は確かにチームを支え、引っ張っていたと思う。
 数字という見方で切り取ってしまうと平凡な選手。ただ、ひとたびコートに立てばしつこく激しいディフェンスと、クレバーなポジショニングでチームの下支えをしていた。特に守備面については、プレイオフ含めた4試合の福岡戦で、常に脅威だったジョシュ・ペッパーズがマッチアップして一番嫌がったのが大キャプテンの守備だった、という事実が全てを物語っているのではないだろうか。記録に残らず記憶に残る、典型的な選手。
 ごく個人的な注文としては、打てば悪くない確率で入る3Pシュートもあるわけだから、もっと「打つ前提でのボールのもらい方をしてほしい」というところだ。なんせ本年の3Pシュートは厳選に厳選を重ねた結果、7/14と50%の確率で入っている。これが40%、いや35%の確率になっても構わないので、フリーにしたら入れてくるのだ、と相手に脅威を与える程度の本数を打つ「準備」ができれば、相手守備に与える影響も変わってくるし、3&Dのエースキラーとしての出番ももっと作りやすくなるはずだ。
 別に自分で攻撃機会をクリエイトしろという話ではない。チームの攻撃の流れに乗って、いい形でシュートを打ちきること。来年の大さんには、今の守備力を維持しつつ、シーズン60本、つまり1試合1本のシュートアテンプトを期待したい(今季はシーズンで17本)。その意識は間違いなく攻守両面でチームを底上げすることになる。過去の成績を見ても、それくらいはやっていい選手。ベテランの再脱皮に期待したい。

[11]杉本 慶
杉本1718 
 チームきっての万能選手は、今年もあらゆる役目を請け負ってシーズンを走り抜けた。特にSFとしての神津の機動力に不安がある中で、サイズで劣っても全く気後れすることなくディフェンスを遂行できる杉本に頼る場面は多く、10cm以上大きい相手にも平然と、あの手この手でマークし続ける彼にどれだけ助けられたか分からない。また、ここぞという場面で高い身体能力から繰り出されるリバウンドやスティールもチームを大いに救っていて、攻守のバランスのために体力が尽き気味の時でも外すことが出来ないことすらあるほどに、信頼を勝ち得ていた。
 この万能性は攻撃面でも発揮されており、サイズのあるフロアリーダー・ハンドラーとしてプレーコールを任されるシーンも目立った。伝え聞くところだと「ポイントガードはあんまり…」という感想だったと聞くけれど、AST/TOV比率の2.51はアシストランキング上位者と比較しても全く遜色がなく、またドライブからのアシストや速攻のリードパスなんかもさらに増え、万能選手としてのプレーにさらに磨きがかかった印象。切れのあるドライブやカットでゴール下まで切れ込んでイージーバスケットを決めるケースも多く、また制限時間ぎりぎりのジャンプシュートをねじ込んでみせるなど、ここぞという時の強気さも見ていて小気味いい。
 その強気がもっとも出たシーンが、東京Z戦で相手の肘を頬骨で受けて真っ青に腫らしつつ、それでも翌日平然と出場した試合だろう。骨には異常はなかったらしいのだけど、血を抜いてなお腫れて視界が制限される中志願して出場するという精神力の強さが、彼のプレーを支えているのだと思う。
 昨年のこの項でも書いた通り攻守に完成度が高く頼りになる選手だが、もう少しばかり2メンゲームでのプルアップと、キャッチ&シュートでの3Pの確率が上がってくると、チームとしてはよりありがたい選手になっていくだろう。社員選手のはずで、リソースには限りがあるのは承知の上で、攻守ともに更なるパワーアップを期待したい。
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