fool's paradise ~愚者の楽園~

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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー もしくは来季に向けて #FE名古屋

2018/06/28 13:30

39勝21敗
中地区優勝
プレーオフ進出(4位)

 これが、今季のファイティングイーグルス名古屋が残した成績だ。西宮に競り負けて地区優勝を逃した昨季と違い、終盤他力本願ながらも勝ち続けて地区優勝を手繰り寄せた。その時の歓喜は忘れがたいし、今季の大切な記憶として留めておきたい。しかし、結果はともかく、その内容、そして途中で起こった出来事は、喜んでばかりいられないことの方も多かった。

【果たされなかったライセンス取得】
 ライセンス問題に端を発して失速した16-17シーズン。その反省をもとに再度挑んだ17-18シーズンだったが、結局B1ライセンスは発行されず。今季もまた「B1昇格」という目標はシーズン終了を待たずして潰える形となった。昨季と違い今季は「アリーナの計画実現性が不十分」とはっきり明言されており、そういう意味で昨季よりもライセンス取得に近づいた感覚はあるように思う。その一方で、チェアマンからは

「FE名古屋は豊田通商が親会社で財務基盤に問題はないし、入場者数も増やしている。それでも、残念ながら5000人以上のホームアリーナを確保できずにB1ライセンスを得られなかった。これを親会社が真摯に受け止めないと選手が逃げて行ってしまう。アリーナ問題をどうするのかは、豊田通商を含め『このクラブをどうしたいのか』という根本の問題。私は選手がかわいそうかなと思っている」(2018.4.4,バスケット・カウントより)

という強烈なダメ出しをされてしまった。

【変わってしまった潮目】
 そんなこんなで、「B1ライセンスを持たないB2チーム」としてオフシーズンに突入することを余儀なくされたFE名古屋。待っていたのは

B1チーム
↓↓↓
B1ライセンス保有のB2チーム
↓↓↓
(越えられない壁)
↓↓↓
B1ライセンスのないB2チーム

という序列がはっきりと出来上がったリクルート市場だった。そしてチームであれ、選手であれ、移籍先が決まるのはより上位の存在からと相場が決まっている。その結果、ルーキーシーズンから2年間得点源として活躍し続けた福澤がB1ライセンスを取得して昇格へ意気上がる茨城へ流出。ついで社員選手ながら自由交渉リストに公示がされていた成田がB1昇格した秋田へ「個人昇格」することとなり、有望な若手選手を2人失うことになった。一方でFE名古屋への新加入選手の話は全く音沙汰がなく、6月26日にようやく昨季から所属の選手の再契約が発表された、という状況となっている。
 どんな選手でもできればB1でプレーしたいしB1を目指したいと思うのはある意味当然。腕に覚えがある選手はそのためにチームを選ぶ、という時代になったということだろう。これはBリーグがプロリーグであることを考えれば至極健全な話でもある。それは「環境と社員選手の安定性を売りにリクルートというこれまでのやり方では、もはやB1レベルの質をもった選手は確保できない」ということでもある。これまでのように親会社の安定性を軸に、実力上位の選手を勧誘できる時代は終わったのだ。

【豊通バスケ部であるということ】
 現在のチームが抱える問題は、「ファイティングイーグルス名古屋というチームが、プロ化した現在をもってなお本質的には豊田通商バスケットボール部である」ことを根本としているように見える。つまり、社業にリソースを割いていることで、専業でやっているプロとはアウトプットや成長速度に差が出るということだ。これまでは選手やスタッフにとってのメリットだった部分でもあるのだけど、今季一気にデメリットの部分が顔を覗かせてきているわけだ。

 聞けば昨季のFE名古屋はフルタイムで選手を指導できるコーチは存在しなかったそうだ。つまり、その時のプロ契約選手はチーム練習の時間以外はコーチ陣の手を離れた自主トレ状態であったということ。一方、今季は川辺アシスタントコーチがフルタイムのプロコーチとして採用された。川辺ACのTwitter等によると、ACがプロ契約選手向けの午前中のワークアウトを担っていたようなのだけど、その指導の結果として福澤、兒玉辺りはシーズン開始時と比べても別人のような選手に成長した。この一例をもってしてみても、社業を持つ選手とプロとの差が如何に出るかがよく分かるだろう。

 これは選手に限った話ではない。話を聞く限り渡邊ヘッドコーチも社員だと推測するのだけど、他のチームのヘッドコーチがその週に対戦するチームを研究している時間に社業をやっていれば、実際の試合への対策やシミュレーションが甘くなるのも当然だ。「社業」がどれほどのウェイトを占めているかは寡聞にして知らないが、他チームが使っている時間が使えていないことには変わりがない。プロチームの指導者をやらせる以上、社団法人豊通ファイティングイーグルス名古屋に出向させてフルタイム専念させるというくらいの手配は必要なのではないかという気もする。
(21:40追記)
 代表・坂口さんのツイートによると、現在は(ということなので今季からということかな?)FE名古屋への出向として稼働の100%をHC業に振り向けてくれているとのこと。

 また社員がヘッドコーチを務めていることで、成績の責任を問いづらいという事態が発生してはいないか、という疑念も残る。前身のNBDL時代は強力な戦力を抱えてレギュラーシーズンを圧倒しつつ、3年連続で頂点を逃した勝負弱さ。Bリーグとなった昨季は地区2位で昇格プレーオフには絡めず、今季は地区優勝こそ果たしたが、昇格に絡むようなチームには1勝も出来ないままシーズンを終える結果となった。

 もちろん、ライセンス問題はヘッドコーチには全く責任はない。だが、チームとして「昇格」を謳い、それに値する戦力を抱えつつ、いずれのシーズンも「ライセンスさえあれば昇格できた」という結果を残すことは出来なかった。むしろ昨季と今季の結果を比較したら、昇格していくチームとの差は広がったようにすら見えなくもない。つまり、5季連続で目標の達成には失敗しているのみならず、達成度合いも下がっているとすら言えるのだ。

 もちろん目標達成即更迭が正しいかというとそうではない。ただ、他のチームがプロとして進歩のサイクルを回そうと努力する傍ら、目標を達成できなかった失敗の責任を問えず体制が温存される。そんな甘さがチームにあるのであれば、先に言及したリクルートの話と合わせても、今後現状維持すらままならないのではないだろうか。

【子の心、親知らず】
 では、この状況を豊田通商本社はどのように捉えているのだろう?本来なら知りえない話なのだけど、今年についてはFEブースターの中に株主総会に参加して質疑を行った勇者がいた。「しゃら」さんである。許可をいただいたので貼らせていただく。
すごく簡単に書くと、

Q.B1ライセンス取れないのでこれだけ実力があっても昇格できないんだけど何かサポート等考えてる?
A.元々社内連帯感と地域貢献のためのクラブ。B1に向けてはいろいろなハードルがあるので継続検討としたい。

というもの。回答しているようなしていないような、という印象のものではあるが、少なくとも問題点は認識していることはプラスポイント、会社として先に来るのは社内のクラブとしての立ち位置のように見えるのがマイナスポイント、という印象を持たせるような質疑応答だったようだ。

【誰が為に】
 この2シーズンを見せてもらった感想で言うと、「豊田通商バスケットボール部というアマチュアの部分を色濃く残したままB1へ上がる」という、いわばアマチュアによるプロの世界へのチャレンジは失敗に終わったのだと思う。そして恐らくだが、今季のリクルートなどの動向を見る限り、このチャレンジが成功する確率は年々下がっていく一方だろう。

 そこでチームが取りうる選択肢はふたつ、ということになる。「本物のプロチームとしてB1を目指す」か「このまま半アマ半プロの部活チームとして過ごす」かだ。ただ結局のところ、それを決めるのはチームでも選手でもましてやブースターでもなく、全ての鍵をメインスポンサー=親会社である豊田通商が握っている。彼らがどうしたいのかは分からない。が、もし部活のままでいいと思っているのであれば、Bリーグなどに加盟せず、B3あたりの強豪チームひとつに留まるという選択肢もあったはずだ。それをせず、名古屋という地名を背負い、地域のファンブースターの思いを背負ってプロの世界を歩むという決断をした以上、それだけの姿勢を見せてほしいところだ。

 僕はBリーグ開幕からこのチームを見始めた、ある意味では第2世代のブースターだ。企業チームだったころからFE名古屋を見守っている第1世代のブースターの方とは温度差があるのかもしれない。でも、だからこそ、この暖かい、地域に根付こうとする確かな意志をもったこのクラブに、豊通ファミリアのためだけでなく、名古屋ファミリア、尾張(出来れば知多も)ファミリアのためのチームになってほしいと思っている。
 強くなければ愛されないわけではないけど、ここは名古屋。より上の舞台で活躍するチームを応援する人が多い土地柄でもある。また、プロとして歩んだからシンボルではない、というわけでもないのはそれこそ同じグループの会社の抱えるチームを見ればわかるはずだ。親会社も含め、手を取り合ってより高い目線で共に歩んで行くことができるよう、切に願っている。
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー チーム編、特徴的な数字から #FE名古屋

2018/06/26 12:00

【1605,1051~2422】
 今季からB1ライセンス交付条件に「1試合平均入場者数1,500人以上」が追加された。昨季のFE名古屋の平均入場者数は888人。ケタが一つ足りない。かくして始まったFE名古屋フロントの挑戦だが、ことこの入場者数の点について言えば、今季は大成功と言っていい結果となった。平均入場者数1,605人。対昨季で80%上昇は、恐らくBリーグの中でも屈指の伸び率だろう。連勝で迎えたホーム開幕戦の愛媛戦は2,422人と、史上最多の入場者数となった。

 成功の要因がどこにあるのかというと、もともと精力的に行っていた選手によるクリニックやバスケットボール教室、そして運営しているアカデミーの生徒の家庭に狙いをつけ、「小学生とその親」というパッケージに強い営業をかけ続けたことが実った、というところにあるようだ。実際に今季試合会場に足を運んでみると、小学生の子供連れで観戦する姿は昨季よりも多かったように思う。

 まあ、実際のところは全てがそうということではなく、特に前半はかなりの部分を豊通の関連会社による動員が占めていたであろうことは想像に難くない。試合会場の招待向けカウンターの上には、かなりの枚数のチケットが並んでたし。ただ、ライセンス向けの集計期間(3月末まで)以降は動員の影響が少ない、という予測のもとで4月以降の集客数を抽出すると、8試合で平均1,327人。ライセンス要件の平均1,500人には届いていないけど、この数字を昨季と比べても50%上昇している。また一番少なかった対岩手1戦目でも1,051人と1,000人超えは果たしており、昨季終了時に期待していた、「最低1,000人は観客を入れる」というベース作りは確実に達成できたと言えるだろう。

 この4月以降の平均1,300人を集客のベースとすると、来季はこれを1,500人に増やすことが求められる。個人的な肌感覚になるけれど、少なくとも枇杷島SCでの開催では1,500人を超えるのと超えないのとでは応援の音圧も盛り上がり具合も目に見えて違うのだ。来季は途中から枇杷島が使用不能になる関係で一宮での開催が増える。下見と称して一宮で行われた高校総体予選を見てきたが、交通の便は最悪の一言で、相当の工夫と投資を行わないと、これまでのような集客は望めないだろう。今季結果を出したフロントが来季の課題にどのような回答を提示するのか、楽しみに待ちたい。

【0勝10敗】
 今季、プレーオフに出場したのはファイティングイーグルスを除くと3チーム。その3チームに対して、レギュラーシーズンとポストシーズンを通した10試合の結果は、残念ながらすべて黒星を並べることとなった。今季については秋田と福岡はB2においては明確に力の違う2チームだった。それでも、熊本も含めて直接対決で一つも勝てなかった(熊本には昨季から合わせて6連敗)という結果。そして、同地区のライバル茨城に対しても1勝5敗と大きく負け越し。

 昨季の結果を思い返してみると、同地区のライバル西宮には負け越し、西地区の3強には1勝5敗だった。その、やや劣勢ながらも星の上では互角に近かった西宮と島根が、あっさり1年でB2に追い返されたという事実。そして昨季と今季の結果を重ね合わせると、1年目よりもB1との距離が開いてしまったのではないか。強い相手から勝ち星を奪えない今年のチームをもどかしい思いで眺めつつ、彼我の差に慄然とするシーズンとなったように思う。

【3連敗→1勝】
 今季もうひとつの鬼門となったのが週半ばの開催の試合であった。オリンピック予選に絡む日程の短縮で今季から実施されることとなったのだが、4試合行われたミッドウィークゲームの結果は1勝3敗。単純に勝ち星が上がらなかったのみならず、試合内容も毎回最悪を更新するような酷いものが多かった。

 これはもちろん肉体の回復という側面もあるのだろうけど、普段よりも対戦相手に対する準備をする時間が短いということでもある。スケジュールはほとんどの部分共通で行っている以上、試合間隔が短い分回復等に時間が取れないのは全チーム平等。とすると原因は、チームがミッドウィーク開催の試合に向かう上でのコンディショニングやプレゲームルーチンが失敗だったことになってしまう。

 この話は、FE名古屋の選手の半分ほどが社員選手であることと無関係ではないように思う。水曜開催の試合で唯一勝ったのが「ゴールデンウィークど真ん中の5月2日のゲーム」だけ。もっとも選手たちが準備しやすかった試合のみ勝利した事実が、図らずもこのことを裏書きになってしまっているような気がするのだ。

 週半ばの試合開催の時、社員選手がどのような仕事をし、または休んで試合への準備を行っているかは詳しくは知らない。しかし、プロ契約している選手のように、全ての時間をケアや休息に充てられるわけではないのも間違いないだろう。そして来季の日程は代表強化活動を考慮し、さらに平日開催が増えると明言された。今季よりも厳しくなる日程を、どのように乗り越えていくのかが試されることになる。

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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー チーム定量分析・守備編 #FE名古屋

2018/06/22 12:30

昨日の続き、今日は守備編。

【守備・成長と新たな問題点】
得点 
 昨季に比べると、平均で5点近く、負けゲームでは7点近く失点数が悪化。ペース=お互いの攻撃回数があまり変わっていないことを考えても、明確にディフェンスに問題を抱えたシーズンだったと言えるだろう。もっとも、数字を見てみると昨季より改善した部分がないかといえばさにあらず。
reb 
 この表を見ていただいても分かるとおり、勝ちゲームでオフェンスリバウンドを確保される比率は大きく減少した。負けゲームに限っても、昨年よりは減っている。昨季の「守備は相手のシュートが外れたら終了、あとはソロモンの仕事」からは少し脱却し、リバウンドは昨季より確保できるシーンは多くなった。
相手FG% 
 では、実際になぜ数字が悪化しているのかを探っていく。まずは相手チームのFG%を見てみると、3PFG%は1%程度の悪化となっている。これは得点にすると0.6点~1点分くらいの影響度でしかない。となると、大きく影響しているのはFG%の方だろう。3Pを除いた%を出してみると、やはり平均で5%、負けゲームでは7%近く悪化していた。1試合に40本ちょっとの2PFGが打たれることを考えると、5~7%の差だと約4点~6点を余分に与えていることになる。どうやらこっちが本命と言えそうだ。
 2PFGはどのようなシチュエーションで放たれるかというと、①-1速攻でペイント内、①-2ハーフコートでペイント内、②-1速攻でミドル、②-2ハーフコートでミドル、の4種類に分類できる。数字の指標としてはこれを完璧に分けて集計しているものはないけれども、上記のO-PitP(ペイント内失点)とO-FBP(速攻による失点)を見るとある程度類推できるはずだ。
相手得点比率 
 ということで数字を見てみる。ペイントゾーンでの失点は特に負けゲームで9点近く悪化。また速攻での失点は勝ちゲームも含めたすべてで悪化。負けゲームに絞ると6点もの悪化である。速攻での失点は全てがゴール下というわけではなく、アーリーオフェンスからの3Pも含まれる。6点すべてがペイント内失点とはならないが、ペイント内失点の悪化のかなりの部分は速攻での失点が占めていると考えても差支えなさそうだ。その一因となっているのは攻撃時のターンオーバーの増加だろう。昨季に比べて約2個の増加だが、この速攻失点の増加を見る限り、昨季よりも速攻に繋がりやすい形のミスが増加しているのは間違いない。もちろんこれは単純に守備の問題ではなく、攻撃と繋がっている話。主に負けゲームでは相手の圧力に耐え切れずミスを犯すシーンが非常に多く、それが大量失点の原因となった。福岡・秋田との試合はこういった内容だろう。一方それ以外の相手については、昨季よりも単純にインサイドを叩くという攻撃を減らした結果攻撃は多彩さを増したが、そこに慣れていない部分もあってミスが増えたと考えられる。来季どのような形で攻撃を組み立てるのかは不明だが、攻撃のやり方が向上することでこの部分の失点は減っていくかもしれない。
 もう一つの失点の原因となったのが、恐らく現チームの守備の方式によるものだろう。脚を使ってどんどんカバーローテを回し、相手に楽にシュートを打たせないという守備の指向は見て取れるが、この形の場合どんなに頑張っても最後はズレが出来る。特に、FE名古屋は身長に恵まれない選手が多く、最後にズレが出来たところで高さのミスマッチ、というパターンも珍しくない。相手に許す3P%が若干ながら悪化しているのは恐らくそういう、追いかけすぎで振り回された結果だったように思う。また、そのカバーを回す過程でファウルも増え、相手に与えるフリースローも約3本増える結果となっている。3本増えれば少なくとも2点くらい失点の期待値が増えてしまうことを考えると、やはりこの守備の適度な距離感が整理しきれなかったところが最後まで響いたというところではないだろうか。

【最後に】
 カブレラくんが「守備が売りと言っている割に」という傑作ゲンコラアップロードしていたけれど、数字を分析してみてもそんな内容のシーズンだったことがはっきり表れていた。
 バスケットボールは「タイムアップ時に1点でも相手より多く点を取っている」ことが必要なゲームだ。個人的には「取りたいときに点が取れる」「取られてはいけないときに点を取らせない」は等しく重要だと思っている。また、観戦に来たファン、特に初心者に近いファンに訴求しやすいのが「最終スコア90-80」と「最終スコア60-50」のどちらかと問われれば前者であることも間違いなく、得点が伸びていること自体は悲観すべき話でもない。来季に向けては、この攻撃の方向性を維持しつつ如何に守備を煮詰めていくかが問われそうだ。とか書いておいていたら、福澤、神津と相次いで得点源がいなくなってしまった。どうなるFE名古屋。

【おまけ・全数字】
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー チーム定量分析・攻撃編 #FE名古屋

2018/06/21 22:34

 さて、前回までで選手別のレビューは終わったので、今回からはチーム全体の話を。まずは数字から見て、昨季と今季、チームが変わったのか、変わったとしたらなにが変わったのかを、実際のプレーの印象と照らし合わせつつ分析してみたい。今回はとはいえ、勝った試合と負けた試合を分けない分析も不十分になってしまうので、シーズン全体・勝ち試合平均・負け試合平均の3項目を昨季今季それぞれに算出している。

【得点・失点・ペース】
得点 
 合計ベースで対昨年、得点が+2.2点と向上。一方で失点が+4.6点と大きく悪化している。勝ち負けを比べてみると勝ちゲームは昨年と近い数字の推移だが、負けゲームでの得点が+6.6、失点が+6.8といずれも大幅に増加。勝ち負け問わず得点は増えた代わりに失点も増えたわけで、外の人間から見ると見ていて面白い試合をするようになったとも言える。
 ちなみに個別で見ていくと、6点差=2ポゼッション差以内の点差での決着は、昨年の17試合(12勝5敗)に対して、今季は23試合(15勝8敗)。勝つにしろ負けるにしろ、胃の痛い接戦は間違いなく増えた。やはりチーム公認の胃薬をグッズ化するしかない。
 面白いのはPace=各チーム各試合の総攻撃回数の近似値が、昨年と今年で変わっていないこと。攻撃回数が増えずに得点が(失点も)増えているということは、より効率よく攻撃が成功(相手のも)しているということ。この辺りはまた後の項目で詳しく見ていく。

【攻撃・各種%における変化】
FG% 
 昨季と今季で比較した際、一番進歩したと言えるのがFG%関連だ。合計の数字でも昨季から今季でFG%43.4%→46.4%(+3%)、3P%33%→37.6%(+4.6%)、FT%70.7%→72.6%(+1.9%)と軒並み向上した。特に面白いのはそれ以上に勝利時と敗戦時の差分で、昨季は勝利時と敗戦時でFG%で7.9%、3P%で12.3%もの差があったのが、今季は4.8%、4.7%にそれぞれ減少。少なくとも、昨季の「攻撃が一度頓挫すると気絶しっぱなしで打てども打てども入らない」という負けパターンは影をひそめ、悪い時も悪い時なりに入るシュート機会を作り出すことが出来てきている、ということだろう。
 このFG%はそのままeFG%の高さ、そしてそのまま得点の多さにも反映されていて、攻撃の面は昨季と比べても大きく進歩したことが数字に裏打ちされた結果となった。

【攻撃・得点エリアについて】
 basketball.naviさんの出してくれている数値で、PitP=ペイントエリアでの得点があるので、これをもとに3P、PitP=ペイント内2P、Mid=ペイント外2P、FTの4種の得点比率を計算して、昨季との違い、勝利時敗戦時の違いを見てみる。
得点比率 
 まず昨季を見てみると、目を引くのが高いPitP%になるだろう。昨季はソロモン・アラビというハイタワーを筆頭にペイント内での得点を指向する選手が多かった影響だが、負け試合では比率が高まりすぎる傾向で、「3Pを苦しい形で打たされて入らず、インサイドに過剰に頼る」チームの問題点がここに浮き彫りになっている。
 ここで今季の数字と比較をしてみると、昨季→今季ではPitPの比率が約5%下がり、その分3Pの比率とFTの比率が上がっている。この2つはよく言われるバスケの数値分析でも「効率がいいオフェンス」と言われる点の取り方となる。また勝ちゲームと負けゲームの数字を比較してみても昨季ほど落差があるわけではなくなったのも大きな変化と言えるだろう。

 今年のチームはソロモン・アラビを放出するなど、特に序盤は昨年からバスケットボールを変えようとかなり努力をしていた。そして、傍目からは年末にハーブさんを放出してジーを加入させることで、ソロモンの時と同じようなバスケに時計の針を戻したのではないか、などと勘ぐっていた。もちろんそういう面もないわけではないのだろうけど、数字を見る限りでは昨季の反省をもとに複数の武器を持つことという目標に向けては確かな成長を見せていたことが分かったのは嬉しい発見だった。
闘鷲降臨 ファイティングイーグルス バスケ Bリーグ
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その8:#42伊藤大和、#44栗野+おまけ #FE名古屋

2018/06/03 21:48

 [42]伊藤 大和
1718伊藤大和 
 その構造上、どうしても関東の大学が存在感を示しがちな大学バスケ。そんな中、2017年度の中京大学はインカレでベスト8に進出し、翌年の東海学連の出場枠を奪って戻ってきたのだけど、その立役者になったのがこの伊藤大和。関東の大学のチーム相手にもやれるというところを見せて、特別指定の枠を勝ち取った格好だ。インカレが終わった12月に登録されると、ちょうどガード陣に怪我人が相次いでいたという事情も重なり、それなりの出場機会を与えられることとなった。
 登録の体重70kgという数字が表す通りフィジカルの強さという意味では限りなく紙に近いということもあり、プロレベルのガードの守備の圧力には苦労するシーンが目立ち、まずは身体作りから、という印象が強い今季のプレーぶりだった。守備は相手のハンドラーにマッチアップすることが多かったため問題が目立つシーンは少なかったが、恐らくフィジカルの問題は同様に抱えるだろう。しかしその一方でプレッシャーをうまくいなせたときのシュートの切れは長短問わず素晴らしく、外でシュートを打って良し、切り込んでフィニッシュして良しの大型ハンドラーになれるだけの資質を見せつけた。
 プロレベルの選手の体格という意味では185cmの選手の平均体重は80kg前後が相場のはずで、現在の大和は筋力量としてざっと10kgは足りていないということになる。身体の使い方でカバーするにしても、後5kg以上は身体を大きくしなければならないだろう。一朝一夕にはいかない話だし、筋力のつきやすさは体質にもよるのですぐに結果が出るわけではない。ただ、本人のスキルもさることながら、今の彼には「パワーをつけることにより、プレーに余裕が生まれる」ことが必要に思われる。プロバスケの世界に身を置いて最初のオフシーズン、技術、身体能力は十分なものを持ち合わせているように見える彼がどのように自らの肉体を作ってくるか、楽しみに待ちたいところだ。

[44]栗野 譲
1718栗野 
 昨季、島根の昇格に貢献したベテランが、今季はFE名古屋に降臨。昨季同様、ベテランのリーダーシップを外に求めるという形になった。練習試合を見に行った際にも出番がなく、ベテランのメンターの扱いであまり試合に出ないのだろうか、などと思っていたのだけど、さにあらず。開幕戦はいきなり18分の出場時間を与えられるなど、出場時間に波はありつつも、主にon1の時間帯に貴重な戦力としてプレーした。
 彼が重用された理由については、やはりコート上でのリーダーシップ、および、ポジショニングなどにおけるクレバーさが大きかったように思う。スペーシング、スクリーンのタイミング等、経験と戦術眼に裏打ちされたプレーはチームに非常にいい影響を与えていて、コート上に居る時といない時では別のチームのように思えることも珍しくなかった。また、コート上にいるときにはそのハッスルプレーで、ベンチにいるときも盛り上げ役としてチームの雰囲気を常に上げようという役割も担い、好プレーが出た時のベンチの振る舞いはブースターにとっての楽しみでもあった。チームで闘うこととは、というのをあらゆる意味で見せてくれたプロの姿に頭が下がる。
 今季終了後に引退となったことを考えると、地区優勝で送り出せたのは本当に素晴らしいことだったと思うし、その経歴や人脈、ビジネス感覚などを見ても、今後もFE名古屋とお付き合いいただければ非常にありがたい。また何かの形で手を取り合う日が来ることを、そしてそれが早いことを祈っている。

【おまけ】
[0]ハーバート・ヒル/Herbert Hill
 年始に書いた中間レビューで「彼の集中力が続くかが成績を左右しそう」などと書いていたら、そのまま契約解除となってしまった。その後外国籍選手の構成に悩む西宮に拾われ、そのままシーズン終了までプレー。29試合中22試合で2桁得点を達成するなど、外国籍選手としては一定の数字を残していたが、さりとて独力でチームに影響を与えるほどのインパクトが与えられるわけでもなく、というところで、来季も日本にいるのか、はたまた他の国でプレーするのかは微妙なような気はする。集中力が続きさえすればBリーグでもトップレベルと言っていい能力の持ち主なので、条件次第ではどこかに拾われるのかもしれない。
 今季序盤に苦しんだFE名古屋にあって、残り4分12秒12点差を逆転した信州戦はFEブースター全員の心に残った試合だと思うけれど、その立役者は紛れもなくハーブさんであった。これからの彼のバスケ人生に幸あれ。
闘鷲降臨 ファイティングイーグルス バスケ Bリーグ
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その7:#26神津、#41ジー #FE名古屋

2018/06/02 19:51

[26]神津 祥平
1718神津 
 キャプテンを務め、地区優勝を逃して涙にくれた昨季。迎えた今季はキャプテンの立場を伊藤大に譲り、背番号も杉本に譲って心機一転、というシーズンとなった。やはり昨季はキャプテンとしてチームを引っ張るという立場がかなりの重荷になっていたのだろう、今年はプレーしていても明るい表情が増え、また昨季よりも精神的にも肉体的にも安定した状態を保つことが出来ていたように思う。
 神津の武器と言えばその体格とステップワーク、そして柔らかさを兼ね備えた得点力。その一方で機動力という意味ではやや心もとない部分もあり、チームが昨季よりもボールや人を動かす攻撃を指向する中で、ややボールを保持するシーンが多く「重く」なりがちな彼の能力をどのように組み込むかに注目していた。結果としては懸念は杞憂に終わった、というより、「チームの指向するボールムーブやスペーシングが思うように発現できないとき、神津が1on1で取ってくる得点やフリースローがチームを助けていた」というべきかもしれない。自分より小さい相手にはパワーと高さで、大きい相手にはステップワークと技術で優位を築き、少しずつでも得点を重ねるところは、今季のチームをどれだけ助けたか分からない。
 冒頭で昨季との比較を出したが、今季は特に2PFG%が50%を超えてきており、また30分あたりで換算するとアシスト数なども大きく増加していて、チームの考える方向性にもアジャストする姿勢を見せつつ、自分のストロングポイントを出してチームに貢献する姿が、数字からも見えてくるように思う。
 その一方で機動力の不足は攻守両面で拭いがたく出てきてしまうのも事実で、攻撃面ではより速い選手に寄せられた時のターンオーバー増加、守備面では相手パスに振り回されることでカバーローテに穴があいたりファウルが嵩んだりする、というシーンが散見された。得点をしっかり取ってくれる分を考えれば収支は十分にプラスではあるのだけれど。昨季よく指摘された審判への異議の部分については今季は「審判にしっかり見てもらうためのコミュニケーション」の範疇で収まっていて、ベテランらしい落ち着きとともに良い役割を担っていた。
 年齢的にはまだ31と老け込む歳ではないとはいえ、機動力が伸びるというような年齢でないのも事実。ただ、「ボールを渡したら得点を積むことができる」選手であり、多少の粗はうまく隠して使っていくべき、と思わせる選手なのも間違いない。来季もたくさん神津コールをする機会があると良いなあと思っている。

[41]ギャレット・スタツ/Garrett Statz
1718ジー 
 今季開幕からB1島根に加入した7フッター。サイズとゴール近くで両手が使える堅実なセンターではあるが、B1ではパワーもしくは機動力の部分でどっちつかずになる面が大きく、成績不振に陥っていた島根はテコ入れ策として契約を解除する道を選択した。そこに目を付けたのが、新加入Cハーバート・ヒルの安定感のなさに悩んでいたFE名古屋で、契約解除からあまり間をおかずに契約、年明け早々からチームの一員となった。
 チームへのアジャストがどうなるか、というのがまず一つのチェックポイントだったが、これは全く問題がなく、年明けの福島戦で昨季のエースセンターかつ似たようなサイズのソロモン・アラビを相手にいきなり24Pts16Reb→28Pts18Rebの怪物じみた成績を残すと、結局トータル27試合のうち18試合で得点リバウンドのダブルダブルを叩きだすなど、大黒柱というにふさわしい成績を残した。怪我で2度ほど離脱したがあまり時間をかけずに戻ってこれたというのもポイントが高く、とくにプレーオフで痛みをおして帰ってきてくれたのは非常にありがたかった。そんなところにも彼の勤勉さが垣間見える。
 プレーについては決して器用でもしなやかでもないが、自分のストロングポイントがよく分かっていて非常に堅実。またシュートレンジも決して狭いわけではなく、時にはミドル~3Pも入れてくるようなスキルの持ち主でもある。身体能力もすごく高いわけではないが十分なパワーと高さを兼ね備え、インサイドでは強靭。やや機動力に欠くのが玉に瑕、といったところ。またチームにあっという間にフィットしたことやアシスト数を見ても分かるとおり賢く勤勉でなおかつ年齢もまだ28と若い。ジョシュと並んでいち早く再契約が発表されたが、チームの軸を定めるという意味で賢明な判断だったのではないだろうか。
 来季に向けては本人のスキルという部分より、彼が出ている時、出てないときの使い分けをいかに行っていくか、という使う側の問題が色濃く出そうだ。賢くて勤勉で責任感の強い選手だが、けして万能選手ではない。自分が点を取らなければいけないという責任感のあまり、ロングミドルを「打たされて」しまった熊本戦のような孤立無援の状態にならないよう、いかにチームに組み込み、チームの力にしていくのか。首脳陣と周りの選手の頭の中身が試される選手であることを意識して、次のシーズンも活躍できる環境を整えてあげてほしい。
闘鷲降臨 ファイティングイーグルス バスケ Bリーグ
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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その6:#24ホーキンソン、#25カーニー #FE名古屋

2018/06/01 13:37

[24]ジョシュ・ホーキンソン/Josh Hawkinson
1718ジョシュ 
 ワシントン州立大を卒業し、今年からプロとして海を渡ってきた若手ビッグマン。学生時代の映像と残した数字から、正確なシュートと広いプレーエリア、そしてリバウンドの強さが武器のビッグマンだと想像していたが、想像した通りのスキルセットで今シーズンのFE名古屋の地区優勝に貢献してくれた。競技を問わず初来日の選手はまず日本の環境に慣れられるかどうか、という「新しい分化への適合性」がプレー以前の問題として出てくるのが常で、それが今回大学卒業して初めて外に出る、とくれば猶更なのだけれど、少なくとも異文化への適合という意味では持ち前の明るさ、そして何度か来日してくれた家族のサポートもあって乗り越えてくれたようだ。大学のシーズンと比べても1.5倍近い試合数、というところも含めてやはり疲労は隠しきれなかったようで、年末あたりや2月あたりはかなり疲労が出て、ゲームデイに体調を崩してフラフラだった試合も何度か目にしたのだけど、体調不良をおして今シーズンのPO含めた全64試合すべてでコートに立ち続けた心身のタフさはいくら褒めても足りないところだと思う。
 プレーとしては序盤は3Pシュートのアジャストが全くできておらず、最初の20試合は5/27で確率20%を割り、そもそもの試投数も1.35本/試合と少なかった。しかしその後は本人もゲームで打つ手ごたえが出てきたのか、後の40試合では40/117で確率34.5%と本数も確率も格段に上昇し、ビッグマンが相手を外に引きずり出すには十分な数字を残している。またシュート力の高さはロングミドル、ポストからのジャンプシュート、P&Rからのダイブやフックシュートなどでも活かされ、極めて高い得点効率が期待できるという意味で、彼の存在は非常に大きかった。また、インサイドでリバウンドに飛ぶ勤勉さと機動力も素晴らしく、ビッグマンとして十分な働きをしたと言えるだろう。
 一方で、大学ではどちらかというとPF的な動きを求められていたことが多かったこともあってか、ポストマンとしての振る舞いはまだまだ不満が残るもので、リングを背負ってのシールやリングを背負う選手への守り方を始めとして、より重い相手、強い相手に与したときのプレーにはまだまだ向上の余地があると思う。
 ただ、攻守の切り替えも早く精神的にも安定していて、勤勉さは折り紙つき。シーズン途中からはアーリーポストからの得点もどんどん増えていて、シーズン中でも進化を見せられていたのは心強い限り。早々に来季の契約も決まった。彼の真面目さなら、来季はまたさらに進化して帰ってきてくれるのではないだろうか。ご家族とも応援をともにしたことがあるけれど、揃って陽気な一家で、とても楽しい思いをさせていただいた。来年も彼と一緒に闘うことを楽しみにしたい。

[25]ロドニー・カーニー/Rodny Carney
1718ロドニー 
 最強の戦術兵器としてB2を荒らしまわった16-17シーズン終了後、再契約の音沙汰はなく。シェリフ・ソウを3.5番で使うと思しきチーム事情もあり、今年は日本には来ないもの、と思われていた。しかし、そのシェリフの病気離脱、そして早期の復帰がかなわないという事情、さらには所属のチームがはっきり決まっていなかったという事情も重なり、再契約が決定。第2節の群馬戦より、急きょ合流となった。
 プレシーズンの練習に参加できず、また本人もどれだけ実戦に近いプレーが出来ていたかは定かではなかったこともあり、年末までの平均PT11.8分、平均得点5.9点、FG%35.5%と、本領発揮とは言い難い状況が続いていた。その後年始のbyウィークにスタツ加入の上戦術的に再構成がなされたのであろうか、後の26試合では平均PT21分、平均得点15.4点、FG%51.1%、3P%42.3%と、紛れもないエース級の活躍を見せつけていた。残念ながら負け試合となってしまったが、ジーを欠いた茨城戦でたたき出した40得点のゲームは、ちょっと簡単には忘れられそうもないインパクトで僕らの心に残り続けるだろう。また、プレーを切り出してみてもNBA経験は伊達ではなく、ちょっと人間とは思えないような身のこなしで相手を躱してレイアップに持ち込んだり、オープンスペースでボールを持ったら最後ファウルでもしない限り止められなかったりと、戦術兵器として今年も元気に君臨していたし、後半はFG%などを見ても昨年より遥かに向上していて、昨シーズンに比べるとチームとしての彼の活かし方も向上したように思う。
 とはいえなかなかチームオフェンスの中に組み込みづらい資質の持ち主であることも間違いなく、また「密集に無理にでも入っていけてしまう」という能力がチームとして守備が強固なチームを相手にするとターンオーバーを犯しやすいという弱点に変わってしまうという部分も相まって、彼の得点能力を、弱点を隠しながら活かしきるというところまではもう少しかかりそう、というのが今シーズンを通した印象だった。
 来季に向けてはシェリフが復帰することがほぼ確実であろうことと、そのシェリフも遠からず帰化するであろうということ、そして、まだ噂の段階にとどまっているオールタイム外国籍on2+帰化選手出場OK、というBリーグのレギュレーションが導入されるのかどうかの組み合わせで、彼の扱いは変わってきてしまうような気はする。シェリフの帰化がこの夏に叶って、レギュレーションが変わって、ならその時点でアメリカに飛んで契約すべきだし、そうでなければシェリフが優先、ということになるのだろう。34歳とベテランに差し掛かる年齢ではあるが、今年の動きを見ていてもまだ老け込むような状況ではなく、まだ2~3年はB2ならもちろんB1でも主力級で働けそうな動きは維持している。もちろん日本だけでなくほかの国も含めて新天地を探るのだろうけど、せっかくのご縁、もう何年かその華麗でダイナミックなプレーを名古屋の、日本のファンに見せてほしいものだ。
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