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赤鯱随想~風間監督の理想と現実(2017-2節H岐阜(4))

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トヨスタ開幕戦。
グラぽ主宰のグラぽ先生がこちらに遠征とのことで、
レッドオルカくんとともに迎え撃ってきたのであった。
試合前にはAkinoriさんやかざねくんとお会い出来たし、
かもめさんや鯱ぐらおさんとご一緒できたのはとても楽しかった。

閑話休題。

試合は御存知の通り、押し込まれまくった前半
→少し盛り返した後半初め
→からの失点
→からの高さ勝負で無理やり同点、勝ち点1

という、テキストに流れを起こしてみると3年前のグランパスかな?
と思うようなダイジェストになってしまうんだけども、もちろんそうではなくて、
岐阜も名古屋も恐らく昨年とは全く違った姿を見せた上での結果となった。
どちらもボールを大事にするサッカーを標榜する監督を招聘した上で、
実際に2節にしてそれなり以上にチームを変えてきたわけで、
では前後半それぞれ少しずつ違った流れは何が引き起こしたかというと、
どちらかと言うと守備の狙い所がはっきり示されていた岐阜と、
おそらくそこまではっきりとは提示されていなかったであろう名古屋との、
守備のハマり具合の影響が強かったのではないかと感じさせた。

前半の岐阜の守備は奪われた後の出足も極めて鋭く、
かなり正確に名古屋の中盤の組み立てを遮断。
特に前節は顔を出し、受けて叩き、時には持ち上がり、と良い動きを見せていた
八反田は完全にマークされ、受けた瞬間に3人が寄せるという徹底ぶり。
また、杉森の裏を中心にWBの裏を狙うことでWBを後ろにピン止めして、
組織性が少なく5人の前で振り回されるCH2人の脇を使う、
という3バックシステム攻略の教科書のような攻めで名古屋を押し込んでみせた。
一方の名古屋は技術のある庄司とシシーニョが実に良い距離感で動き回るのを
まったくもって捕まえきれなかった。
この差が前半の保持率36% vs 64%に現れたことになる。
この状況に業を煮やした風間監督は前半30分で早くも小林に代えてワシントンを投入。
圧力に負け続けていたCHに、技術は劣るが頑強さで勝る彼で安定化を図る。
果たしてワシントンは受ける動きや技術の質はともかく量とパワーで多少の安定化に貢献。
少なくとも奪われて即ピンチというシーンは減ってはいた。
ただボールを前にもなかなか運べなかったが。

そして後半。
開始してしばらくするとやはり岐阜のシステムはかなり中盤の選手に負担がかかるのか、
庄司、シシーニョあたりがボールを引き出す動きがガクっと落ち、
結果として岐阜が最終ラインでパスを回す姿が目立ち始める。
その結果キツめのパスが中盤に行き、プレスに引っかかる形が増えた。
このあたり、前節も今節も相手の方が先に脚が止まったわけで、
同じように相手にボール持たれて脚が止まってた昨年に比べると、
スタミナという部分でも昨年とは格段の差だなあなどと思わされる。

この試合については結局シュートというよりその前の精度の問題でゴールを割り切れず、
逆に相手に先制を許す形になると、その後は玉田に代えてフェリペガルシアを、
そして杉森に代えてシモビッチと前線に迫力を出す形で矢継ぎ早に交代。
この采配は3人のニアを気にしたポジションでパンチングに行った、
相手キーパーのビクトルがかぶり、マークしていたシシーニョの前に入った内田が
仕留めるという形で実を結ぶこととなり、結局引き分けとなった。
(以下興味深かった点をざっくりと)
【ブラジル人×2】
初めて2人のブラジル人選手のプレーが見られたわけだけども、
(沖縄でもロンドやってるとこは見てるけど)
ワシントンについては
「ストロングポイントも、スタートで使われない理由も分かった」
という感じ。身体の強さは間違いなくあるし、やや動きすぎなきらいはあるが、
運動量自体も十分豊富。細かい技術についても想定したよりは良かったし、
いくつかいいパスも通してたように、恐らく視野の広さも悪くない。
…なのだけど、グラぽ先生も帰り道の感想で仰っていたが、基本的にはプレーがちょっと雑。
少しファウルが多そうなのと、1試合に1~2回大ポカをやりそうな印象だった。
そういうところが減ってくると、ストッパーかCHで出番は増えてきそうだけど。
フェリペガルシアについてはタッチ数が少なかったのでなんともだけど、
少なくともみた限りだとボールの扱いがすごく上手いというタイプではないし、
さりとて並走した1対1で千切っちゃうようなスピードもなさそう。
どんなふうに使うのか、魔改造するのか、若干興味はある。

【宮原】
ツイッター上でも上げたけども
エレガントという他ないプレーである。
そろそろ広島さんのほっぺたを叩く札束を準備して欲しい。

【内田】
失点と得点で帳消し、なんだけど、失点時の守り方については、
なんとなくだけどサイドバック的というか、縦を切る意識が邪魔をしたかなあという印象。
この辺は慣れてもらう他ない。

【風間監督の理想と現実】
風間監督はインタビュー聞いたり川崎のときの采配をみる限りだと、
わりと理想に殉じるタイプなんだろうな、などと勝手に思っていたので、
昨日の試合での前半30分での小林→ワシントン、
そして失点後の矢継ぎ早の2枚の交代。
もっというと、初戦の後半早々のシモビッチ投入あたりを見ても、
理想は掲げて実行をさせつつもちゃんと勝ち点確保に動く采配。
思うようにならない悩みはもちろんあるのだろうけど、
理想と現実の二兎を追う姿勢は支持し続けたいと思う。
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