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赤鯱随想~チームにどこまでの飛躍を望むのか(2017-3節A千葉(4))

試合自体は0-2での完敗。
前節同様重心が後ろになったワイド、
5人の前のラインで孤立するCH。
失点の仕方こそそこからの形ではなかったが、
内容を見ても100%何もできなかった敗戦と僕の目には映った。

が、試合後の風間監督のコメントを見る限り、
監督はそう受け取ってはいないらしい。
という試合直後のコメントもそうだったし、記者会見でもやはり似たような内容
特に印象に残ったのが「自信を持ってプレーできなかった」という件。
選手に如何に自信をもってプレーをさせるか、というのが監督の最大のミッションであることに
異論を唱える人はおそらく殆どいないと思われるのだけど、
当然ながらそこへのアプローチ方法はそれぞれの監督によって異なる。
そして、風間監督はそれをまず技術を「個人戦術」という言葉によって求め、
それを拠り所にしようと目論む監督といえるだろう。
これはこの2試合ぶつかった岐阜の大木監督、千葉のエスナイデル監督、
もっと言ったら昨年最後に指揮を取ったボスコのような、
まず軸になる戦術、やりかたを固めて共有する「チーム戦術」をスタートにし、
それに従わせることで自信を持たせる考え方とは一線を画する。
特徴としては後者のほうが結果が出るまでの時間は短くなりやすい。
というか、風間監督のやり方は大雑把な言い方をすると
「自信を持つためにもっと上手くなれ」
と言っているも同然なのだから、そちらの方が時間がかかるのは当然とも言える。

では、どっちが良いのか、と言われたらその回答は多分、観ている側が
チームにどれくらいの飛躍を求めているのか、によってで変わってくる可能性が高い。
「まずは昇格できればいいや」なのか「とりあえず今日勝てばそれで良い」なのか、みたいな。

ただ、チームが何を目指しているのかははっきりしている。
J1昇格はもちろんなのだけど、同時にJ1で優勝、
アジアに出ていけるくらいに飛躍できる、そんなチームだ。
チームがそうなるために今の選手たちの技術で間に合うかといえば恐らくそんなことはないし、
例えば型にはめた戦術でカバーしてどこまで行けるかというと、
それは結局じゃんけんのようなもので、勝利を約束されるというわけではないのだ。
それが分かっているからこそ、風間監督が求めるのはまず技術であり
個人戦術ということなのだろう。
今日の試合後のブーイングだったり、
一部の「きっとこのままズルズル負けがこむんだ」という悲観的観測は、
おそらくそういう、求めるものの違いが生み出しているものなのだと思う。

個人的には技術と体力、そして精神力のないところに戦術だけ持ってきたところで
そこに大きな建物は建てられない、
というのが昨年秋のボスコ就任以降のチームが残した教訓だと思っていて、
そうした「ポテンシャル欠如」を避ける上でも、
個人の出来ることの拡大は欠くことが出来ないと思っている。
その積み上げの第一歩が「逃げずにチャレンジする意志」の醸成だと考えれば、
洗礼を浴びたのが2節3節だったことはむしろ幸運なのかもしれない。
闘えなかった選手たちに、次に何をさせるのか。楽しみに見守りたい。
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