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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー選手編その8:#42伊藤大和、#44栗野+おまけ #FE名古屋

 [42]伊藤 大和
1718伊藤大和 
 その構造上、どうしても関東の大学が存在感を示しがちな大学バスケ。そんな中、2017年度の中京大学はインカレでベスト8に進出し、翌年の東海学連の出場枠を奪って戻ってきたのだけど、その立役者になったのがこの伊藤大和。関東の大学のチーム相手にもやれるというところを見せて、特別指定の枠を勝ち取った格好だ。インカレが終わった12月に登録されると、ちょうどガード陣に怪我人が相次いでいたという事情も重なり、それなりの出場機会を与えられることとなった。
 登録の体重70kgという数字が表す通りフィジカルの強さという意味では限りなく紙に近いということもあり、プロレベルのガードの守備の圧力には苦労するシーンが目立ち、まずは身体作りから、という印象が強い今季のプレーぶりだった。守備は相手のハンドラーにマッチアップすることが多かったため問題が目立つシーンは少なかったが、恐らくフィジカルの問題は同様に抱えるだろう。しかしその一方でプレッシャーをうまくいなせたときのシュートの切れは長短問わず素晴らしく、外でシュートを打って良し、切り込んでフィニッシュして良しの大型ハンドラーになれるだけの資質を見せつけた。
 プロレベルの選手の体格という意味では185cmの選手の平均体重は80kg前後が相場のはずで、現在の大和は筋力量としてざっと10kgは足りていないということになる。身体の使い方でカバーするにしても、後5kg以上は身体を大きくしなければならないだろう。一朝一夕にはいかない話だし、筋力のつきやすさは体質にもよるのですぐに結果が出るわけではない。ただ、本人のスキルもさることながら、今の彼には「パワーをつけることにより、プレーに余裕が生まれる」ことが必要に思われる。プロバスケの世界に身を置いて最初のオフシーズン、技術、身体能力は十分なものを持ち合わせているように見える彼がどのように自らの肉体を作ってくるか、楽しみに待ちたいところだ。

[44]栗野 譲
1718栗野 
 昨季、島根の昇格に貢献したベテランが、今季はFE名古屋に降臨。昨季同様、ベテランのリーダーシップを外に求めるという形になった。練習試合を見に行った際にも出番がなく、ベテランのメンターの扱いであまり試合に出ないのだろうか、などと思っていたのだけど、さにあらず。開幕戦はいきなり18分の出場時間を与えられるなど、出場時間に波はありつつも、主にon1の時間帯に貴重な戦力としてプレーした。
 彼が重用された理由については、やはりコート上でのリーダーシップ、および、ポジショニングなどにおけるクレバーさが大きかったように思う。スペーシング、スクリーンのタイミング等、経験と戦術眼に裏打ちされたプレーはチームに非常にいい影響を与えていて、コート上に居る時といない時では別のチームのように思えることも珍しくなかった。また、コート上にいるときにはそのハッスルプレーで、ベンチにいるときも盛り上げ役としてチームの雰囲気を常に上げようという役割も担い、好プレーが出た時のベンチの振る舞いはブースターにとっての楽しみでもあった。チームで闘うこととは、というのをあらゆる意味で見せてくれたプロの姿に頭が下がる。
 今季終了後に引退となったことを考えると、地区優勝で送り出せたのは本当に素晴らしいことだったと思うし、その経歴や人脈、ビジネス感覚などを見ても、今後もFE名古屋とお付き合いいただければ非常にありがたい。また何かの形で手を取り合う日が来ることを、そしてそれが早いことを祈っている。

【おまけ】
[0]ハーバート・ヒル/Herbert Hill
 年始に書いた中間レビューで「彼の集中力が続くかが成績を左右しそう」などと書いていたら、そのまま契約解除となってしまった。その後外国籍選手の構成に悩む西宮に拾われ、そのままシーズン終了までプレー。29試合中22試合で2桁得点を達成するなど、外国籍選手としては一定の数字を残していたが、さりとて独力でチームに影響を与えるほどのインパクトが与えられるわけでもなく、というところで、来季も日本にいるのか、はたまた他の国でプレーするのかは微妙なような気はする。集中力が続きさえすればBリーグでもトップレベルと言っていい能力の持ち主なので、条件次第ではどこかに拾われるのかもしれない。
 今季序盤に苦しんだFE名古屋にあって、残り4分12秒12点差を逆転した信州戦はFEブースター全員の心に残った試合だと思うけれど、その立役者は紛れもなくハーブさんであった。これからの彼のバスケ人生に幸あれ。
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