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闘鷲降臨~2017-18シーズンレビュー もしくは来季に向けて #FE名古屋

39勝21敗
中地区優勝
プレーオフ進出(4位)

 これが、今季のファイティングイーグルス名古屋が残した成績だ。西宮に競り負けて地区優勝を逃した昨季と違い、終盤他力本願ながらも勝ち続けて地区優勝を手繰り寄せた。その時の歓喜は忘れがたいし、今季の大切な記憶として留めておきたい。しかし、結果はともかく、その内容、そして途中で起こった出来事は、喜んでばかりいられないことの方も多かった。

【果たされなかったライセンス取得】
 ライセンス問題に端を発して失速した16-17シーズン。その反省をもとに再度挑んだ17-18シーズンだったが、結局B1ライセンスは発行されず。今季もまた「B1昇格」という目標はシーズン終了を待たずして潰える形となった。昨季と違い今季は「アリーナの計画実現性が不十分」とはっきり明言されており、そういう意味で昨季よりもライセンス取得に近づいた感覚はあるように思う。その一方で、チェアマンからは

「FE名古屋は豊田通商が親会社で財務基盤に問題はないし、入場者数も増やしている。それでも、残念ながら5000人以上のホームアリーナを確保できずにB1ライセンスを得られなかった。これを親会社が真摯に受け止めないと選手が逃げて行ってしまう。アリーナ問題をどうするのかは、豊田通商を含め『このクラブをどうしたいのか』という根本の問題。私は選手がかわいそうかなと思っている」(2018.4.4,バスケット・カウントより)

という強烈なダメ出しをされてしまった。

【変わってしまった潮目】
 そんなこんなで、「B1ライセンスを持たないB2チーム」としてオフシーズンに突入することを余儀なくされたFE名古屋。待っていたのは

B1チーム
↓↓↓
B1ライセンス保有のB2チーム
↓↓↓
(越えられない壁)
↓↓↓
B1ライセンスのないB2チーム

という序列がはっきりと出来上がったリクルート市場だった。そしてチームであれ、選手であれ、移籍先が決まるのはより上位の存在からと相場が決まっている。その結果、ルーキーシーズンから2年間得点源として活躍し続けた福澤がB1ライセンスを取得して昇格へ意気上がる茨城へ流出。ついで社員選手ながら自由交渉リストに公示がされていた成田がB1昇格した秋田へ「個人昇格」することとなり、有望な若手選手を2人失うことになった。一方でFE名古屋への新加入選手の話は全く音沙汰がなく、6月26日にようやく昨季から所属の選手の再契約が発表された、という状況となっている。
 どんな選手でもできればB1でプレーしたいしB1を目指したいと思うのはある意味当然。腕に覚えがある選手はそのためにチームを選ぶ、という時代になったということだろう。これはBリーグがプロリーグであることを考えれば至極健全な話でもある。それは「環境と社員選手の安定性を売りにリクルートというこれまでのやり方では、もはやB1レベルの質をもった選手は確保できない」ということでもある。これまでのように親会社の安定性を軸に、実力上位の選手を勧誘できる時代は終わったのだ。

【豊通バスケ部であるということ】
 現在のチームが抱える問題は、「ファイティングイーグルス名古屋というチームが、プロ化した現在をもってなお本質的には豊田通商バスケットボール部である」ことを根本としているように見える。つまり、社業にリソースを割いていることで、専業でやっているプロとはアウトプットや成長速度に差が出るということだ。これまでは選手やスタッフにとってのメリットだった部分でもあるのだけど、今季一気にデメリットの部分が顔を覗かせてきているわけだ。

 聞けば昨季のFE名古屋はフルタイムで選手を指導できるコーチは存在しなかったそうだ。つまり、その時のプロ契約選手はチーム練習の時間以外はコーチ陣の手を離れた自主トレ状態であったということ。一方、今季は川辺アシスタントコーチがフルタイムのプロコーチとして採用された。川辺ACのTwitter等によると、ACがプロ契約選手向けの午前中のワークアウトを担っていたようなのだけど、その指導の結果として福澤、兒玉辺りはシーズン開始時と比べても別人のような選手に成長した。この一例をもってしてみても、社業を持つ選手とプロとの差が如何に出るかがよく分かるだろう。

 これは選手に限った話ではない。話を聞く限り渡邊ヘッドコーチも社員だと推測するのだけど、他のチームのヘッドコーチがその週に対戦するチームを研究している時間に社業をやっていれば、実際の試合への対策やシミュレーションが甘くなるのも当然だ。「社業」がどれほどのウェイトを占めているかは寡聞にして知らないが、他チームが使っている時間が使えていないことには変わりがない。プロチームの指導者をやらせる以上、社団法人豊通ファイティングイーグルス名古屋に出向させてフルタイム専念させるというくらいの手配は必要なのではないかという気もする。
(21:40追記)
 代表・坂口さんのツイートによると、現在は(ということなので今季からということかな?)FE名古屋への出向として稼働の100%をHC業に振り向けてくれているとのこと。

 また社員がヘッドコーチを務めていることで、成績の責任を問いづらいという事態が発生してはいないか、という疑念も残る。前身のNBDL時代は強力な戦力を抱えてレギュラーシーズンを圧倒しつつ、3年連続で頂点を逃した勝負弱さ。Bリーグとなった昨季は地区2位で昇格プレーオフには絡めず、今季は地区優勝こそ果たしたが、昇格に絡むようなチームには1勝も出来ないままシーズンを終える結果となった。

 もちろん、ライセンス問題はヘッドコーチには全く責任はない。だが、チームとして「昇格」を謳い、それに値する戦力を抱えつつ、いずれのシーズンも「ライセンスさえあれば昇格できた」という結果を残すことは出来なかった。むしろ昨季と今季の結果を比較したら、昇格していくチームとの差は広がったようにすら見えなくもない。つまり、5季連続で目標の達成には失敗しているのみならず、達成度合いも下がっているとすら言えるのだ。

 もちろん目標達成即更迭が正しいかというとそうではない。ただ、他のチームがプロとして進歩のサイクルを回そうと努力する傍ら、目標を達成できなかった失敗の責任を問えず体制が温存される。そんな甘さがチームにあるのであれば、先に言及したリクルートの話と合わせても、今後現状維持すらままならないのではないだろうか。

【子の心、親知らず】
 では、この状況を豊田通商本社はどのように捉えているのだろう?本来なら知りえない話なのだけど、今年についてはFEブースターの中に株主総会に参加して質疑を行った勇者がいた。「しゃら」さんである。許可をいただいたので貼らせていただく。
すごく簡単に書くと、

Q.B1ライセンス取れないのでこれだけ実力があっても昇格できないんだけど何かサポート等考えてる?
A.元々社内連帯感と地域貢献のためのクラブ。B1に向けてはいろいろなハードルがあるので継続検討としたい。

というもの。回答しているようなしていないような、という印象のものではあるが、少なくとも問題点は認識していることはプラスポイント、会社として先に来るのは社内のクラブとしての立ち位置のように見えるのがマイナスポイント、という印象を持たせるような質疑応答だったようだ。

【誰が為に】
 この2シーズンを見せてもらった感想で言うと、「豊田通商バスケットボール部というアマチュアの部分を色濃く残したままB1へ上がる」という、いわばアマチュアによるプロの世界へのチャレンジは失敗に終わったのだと思う。そして恐らくだが、今季のリクルートなどの動向を見る限り、このチャレンジが成功する確率は年々下がっていく一方だろう。

 そこでチームが取りうる選択肢はふたつ、ということになる。「本物のプロチームとしてB1を目指す」か「このまま半アマ半プロの部活チームとして過ごす」かだ。ただ結局のところ、それを決めるのはチームでも選手でもましてやブースターでもなく、全ての鍵をメインスポンサー=親会社である豊田通商が握っている。彼らがどうしたいのかは分からない。が、もし部活のままでいいと思っているのであれば、Bリーグなどに加盟せず、B3あたりの強豪チームひとつに留まるという選択肢もあったはずだ。それをせず、名古屋という地名を背負い、地域のファンブースターの思いを背負ってプロの世界を歩むという決断をした以上、それだけの姿勢を見せてほしいところだ。

 僕はBリーグ開幕からこのチームを見始めた、ある意味では第2世代のブースターだ。企業チームだったころからFE名古屋を見守っている第1世代のブースターの方とは温度差があるのかもしれない。でも、だからこそ、この暖かい、地域に根付こうとする確かな意志をもったこのクラブに、豊通ファミリアのためだけでなく、名古屋ファミリア、尾張(出来れば知多も)ファミリアのためのチームになってほしいと思っている。
 強くなければ愛されないわけではないけど、ここは名古屋。より上の舞台で活躍するチームを応援する人が多い土地柄でもある。また、プロとして歩んだからシンボルではない、というわけでもないのはそれこそ同じグループの会社の抱えるチームを見ればわかるはずだ。親会社も含め、手を取り合ってより高い目線で共に歩んで行くことができるよう、切に願っている。
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