FC2ブログ

赤鯱随想~チームリーダーの背中 #grampus

降格という事実、そして何より瞬く間に崩れ去って原型をとどめなかった、2016年11月の名古屋グランパス。そこに、思ってもみなかった選手の加入が正式発表されたのが11月21日のことだ。

佐藤寿人。

 日本代表としてのキャリアには恵まれなかったものの、広島の3度の優勝に貢献、本人も得点王でリーグMVPとなった、紛うかたなきエースストライカー。その彼が、若返りを図るべく舵を切った広島から「もう一勝負したい」として新天地に選んだのが、翌シーズンの降格が決まっている名古屋だった。

 冒頭にも書いたけれど、降格直後の名古屋というのは、チームの中も、外にいるファンサポーターも、完全にバラバラだったと記憶している。彼はストライカーであるわけで、もちろん試合に出て得点を取ることを求められたのは間違いがないのだけど、それ以上に存在感を見せたのは、「キャプテンとして、チーム内外を一つに繋ぎ直す」というミッションにおいてだったと思う。そう思わせるくらいに、彼のピッチ内外におけるキャプテン、プロ選手としての振る舞いは素晴らしいものだった。チームが、選手が、プロとしてファンに接するのはこういうことだ、ということを身をもって示し続けてくれたこの2年間の影響力は何物にも代えがたい財産だと思う。

選手としては風間監督のサッカーには本来向いている選手ではなかったのだろうし、彼をストライカーとして使うことができなかったのはかわいそうではあった。リーグMVPとなったレジェンド級の選手が、それでも新しいことを前向きに吸収しようとする背中を、若い選手たちはどのように見ていただろうか。
今年はジョーというポストもできる万能ボックスストライカーに阻まれて出番がなかなかもらえなかったので衰えているかどうかは何とも言えないが、新天地の千葉でも持ち前の明るさ前向きさでもって、新しいことに取り組んでいくのだろう。出身であるチームに戻って双子の兄佐藤勇人と一緒に戦うことを選んだ、というのも実に彼らしい。現所属チームを差し置いて前所属チームへの愛を語っちゃうのはどうにかした方が良いとも思うけれども。

色々なことがありすぎた2年間だったけど、来てくれて本当にありがとう。沈んでいた名古屋にあえて飛び込んできてくれたその気持ち、そして焼け跡のチームのリーダーとして全身全霊をチームに捧げてくれたこと、ずっと忘れない。

http://nagoya-grampus.jp/news/pressrelease/2018/1219post-1088.php
スポンサーサイト

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply