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闘鷲降臨~'18-'19シーズンレビューFINAL チームとベンチと #FE名古屋

(真のプロチーム化に向けたねじを)
まきますか まきませんか
FE名古屋


【20132019】
NBDL
’13-’14 30勝2敗 リーグ1位 プレーオフ決勝敗退
’14-’15 30勝2敗 リーグ1位 プレーオフ準決勝敗退
’15-’16 32勝4敗 リーグ1位 プレーオフ決勝敗退
B2
’16-’17 42勝18敗 中地区2位 プレーオフ不出場
’17-’18 38勝22敗 中地区1位 B2プレーオフ4位
’18-’19 41勝19敗 中地区2位 プレーオフ不出場

NBDL(いわゆるトップリーグであるNBLの2部)時代、およびBリーグとなってB2に加盟してからのファイティングイーグルス名古屋の成績である。良く言えば安定感のある成績と言える。しかし、このチームはB2に入ってからは、毎年「B2優勝、B1昇格」を旗印に掲げ続けてきたチームである。NBDL時代のことはあまり知らないけど、恐らくは同じように「NBDL優勝」を目標にしていたはずだ。つまり、このチームは「この6シーズン、一度たりとも大目標を達成できなかったチーム」ということになる。

もちろん、大目標の達成だけがすべてというわけではない。だが、大目標を達成する、そのために短期中期長期に渡って目標を立て、進め、進捗を見極め、改善を図っていく。これはスポーツにおいても、チームの運営においても、ビジネスにおいても適用される普遍的な考え方である。その中で、果たすべき目標を果たせないことについて責任を問わないことが何を意味するかは、これを読んでいる皆様も、もっと言ったらチームの中の方々もご存じなのではないだろうか。

【変わる環境】
上でこの6年間のチームの成績を並べてみたわけだが、B2での3年間においてもう少し細かく見てみる。着目したのは上位との差だ。それぞれのシーズンで、リーグ1位との勝ち数差/地区1位との勝ち数差/ワイルドカードとの勝ち数差という風に並べてみると次のようになる。

’16-’17  9 / 1 / 4
’17-’18 15 / 0 / 2
’18-’19 7 / 7 / 2

この数字を見ていると、地区に関わらず、FE名古屋というチームがB2ナンバーワンの実力を持つチームとするには程遠い、ということがよく分かる。そして、ワイルドカード争いにもはっきりとした差をつけられて敗北しているということも。

B2トップとの距離感が変わらない反面、変化が見えたのは中地区の勢力図のほうだろう。信州が躍進を遂げてリーグトップの成績を収め、西宮は今季は勝ち越せたものの変わらず厄介な相手であり続けるだろう。再びB2の舞台に帰ってきた東京EX、そして八王子を下して昇格してきた越谷。ここぞというところで粘り強くアップセットを狙うE東京。西地区東地区も十分厳しい争いだが、中地区も厄介な相手が揃いつつある、というのが現状である。

何より、上位陣が本腰を入れてB2優勝B1昇格を狙い始めた、というのは非常に大きい。今季あまり良くなかったとはいえ茨城仙台はすでにB1ライセンスを擁して来季の巻き返しに虎視眈々。今季B1ライセンスを確保できなかった信州も、本拠地に目途がつき、来季は財務も整えてライセンスを確保に全力を尽くすだろう。悲願の昇格を狙う熊本は言うに及ばず、広島も巻き返しに虎視眈々。福岡は財務の観点がゴタついて未知数な部分も大きいが、現場の実力は確かなのは間違いない。

来季以降、FE名古屋はB1ライセンスに目途がつかぬまま、これらのチームを向こうに回して選手を集め、育て、B2優勝に挑まねばならないわけだ。

【選手に選ばれるチームということ】

その観点で見ると、FE名古屋についても「このチームはさらに伸びていけるのか」という目線で見ざるを得ない。しかし、FE名古屋にはB1ライセンスがないのが現状だ。誠に残念なことだが、この1年2年でどうにかなるかと言われれば、ちょっとなりそうにない。運よく本拠地と出来るアリーナ建築計画に乗っかれればワンチャンスあるかもしれない、程度の薄い望みでしかない。

この「ライセンスが取れない」事実が何に影響するかと言えば、何より選手のリクルートに影響する。どんな選手でもまずB1に行きたいし、B2のチームに行くなら「がんばったらB1に行けるチーム」に行きたいもの。基本的にB2しかライセンスを持っていないチームはその次の選択肢。その次に、個人昇格を狙うにあたり、B1のチームに見てもらいやすい環境でのプレー、もしくはプロとして自分の実力を伸ばすことが出来る環境を優先にチームは選択されていくことになる。もちろん、コーチ個人の伝手で来てくれる選手というのもいるけれど。

今季、信州は多くのB1級の選手を補強して躍進した、かのように見えるけど、その実は勝久マイケルHCによるオーガナイズの影響の方が大きい。それは、今季加入した大崎だったり、武井三ツ井といった残留した若手中堅が軒並み実力を発揮したことからも明らかだ。わずか1シーズンで見違える進歩。これを見た、他のチームの選手が「自分も成長できるなら」とチームを選ぶ、それだけのインパクトが今季の信州にはあった。

そう考えた場合、FE名古屋というチームは選手に選んでもらえるようなチームなのだろうか?元企業チームだけあって、練習設備は非常に充実している。これは間違いなくアドバンテージになる。でも、その先は?残念だけどそこに現状、答えはないように思う。

【何処を目指し、何処で闘うか】

言うまでもなく、FE名古屋というチームの母体は豊田通商バスケットボール部だ。昨年もこのブログで書いたけれど、このチームはアマチュアである部分を最大限残したまま、B2優勝B1昇格という目標に挑んでいる節がある。そして、その目標は3年間果たされることなく、勝敗の数字を見ても、現状維持が精一杯の状況でいることは間違いない。

だが、チームとして現状維持が精いっぱいのところで、本当に目標を果たすことが出来るのだろうか?他のチーム、特にB1を目指すチームは現状維持など最初から考えていない。一つでも多くの、少しでも大きな石を積み上げて、上のリーグを狙うべく努力しているチームばかりだ。Bリーグはもはや、B2であったとしても現状維持で頂点が取れるほど甘いリーグではなくなっているのだ。

そう考えた時、FE名古屋が問われているのはやはり「プロチームになる」覚悟があるのかどうかということなのだろう。その一歩として社団法人から株式会社化を選択したのだろうが、次の一歩が踏み出せるのか否か。B1に行くため、B2優勝するためにどんな石をどんな手順で積んでいくんか。

1億円プレーヤーも出現した今、若者はプロとして夢を追うことを選択するだろう。もう、安定志向で良い選手をリクルートできる時代ではなくなる。そんな中、B1に行く権利のないチームがどのように振舞うべきかといえば、B1に行く準備を整えながら、いつでもそうできるだけのチームを、選手を育てる以外にないのである。

前にも言ったけど、何度でも言う。

プロになろう。真のプロに。

チームにそのつもりがあるならば、どこまででも付き合うから。
来季までの充電期間にチームが何を選ぶのか、しっかり見守っていきたい。
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