fool's paradise ~愚者の楽園~

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僕がモデルではないのだが、
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赤鯱随想~チームにどこまでの飛躍を望むのか(2017-3節A千葉(4))

2017/03/12 00:45

試合自体は0-2での完敗。
前節同様重心が後ろになったワイド、
5人の前のラインで孤立するCH。
失点の仕方こそそこからの形ではなかったが、
内容を見ても100%何もできなかった敗戦と僕の目には映った。

が、試合後の風間監督のコメントを見る限り、
監督はそう受け取ってはいないらしい。
という試合直後のコメントもそうだったし、記者会見でもやはり似たような内容
特に印象に残ったのが「自信を持ってプレーできなかった」という件。
選手に如何に自信をもってプレーをさせるか、というのが監督の最大のミッションであることに
異論を唱える人はおそらく殆どいないと思われるのだけど、
当然ながらそこへのアプローチ方法はそれぞれの監督によって異なる。
そして、風間監督はそれをまず技術を「個人戦術」という言葉によって求め、
それを拠り所にしようと目論む監督といえるだろう。
これはこの2試合ぶつかった岐阜の大木監督、千葉のエスナイデル監督、
もっと言ったら昨年最後に指揮を取ったボスコのような、
まず軸になる戦術、やりかたを固めて共有する「チーム戦術」をスタートにし、
それに従わせることで自信を持たせる考え方とは一線を画する。
特徴としては後者のほうが結果が出るまでの時間は短くなりやすい。
というか、風間監督のやり方は大雑把な言い方をすると
「自信を持つためにもっと上手くなれ」
と言っているも同然なのだから、そちらの方が時間がかかるのは当然とも言える。

では、どっちが良いのか、と言われたらその回答は多分、観ている側が
チームにどれくらいの飛躍を求めているのか、によってで変わってくる可能性が高い。
「まずは昇格できればいいや」なのか「とりあえず今日勝てばそれで良い」なのか、みたいな。

ただ、チームが何を目指しているのかははっきりしている。
J1昇格はもちろんなのだけど、同時にJ1で優勝、
アジアに出ていけるくらいに飛躍できる、そんなチームだ。
チームがそうなるために今の選手たちの技術で間に合うかといえば恐らくそんなことはないし、
例えば型にはめた戦術でカバーしてどこまで行けるかというと、
それは結局じゃんけんのようなもので、勝利を約束されるというわけではないのだ。
それが分かっているからこそ、風間監督が求めるのはまず技術であり
個人戦術ということなのだろう。
今日の試合後のブーイングだったり、
一部の「きっとこのままズルズル負けがこむんだ」という悲観的観測は、
おそらくそういう、求めるものの違いが生み出しているものなのだと思う。

個人的には技術と体力、そして精神力のないところに戦術だけ持ってきたところで
そこに大きな建物は建てられない、
というのが昨年秋のボスコ就任以降のチームが残した教訓だと思っていて、
そうした「ポテンシャル欠如」を避ける上でも、
個人の出来ることの拡大は欠くことが出来ないと思っている。
その積み上げの第一歩が「逃げずにチャレンジする意志」の醸成だと考えれば、
洗礼を浴びたのが2節3節だったことはむしろ幸運なのかもしれない。
闘えなかった選手たちに、次に何をさせるのか。楽しみに見守りたい。
赤鯱随想 グランパス 2017リーグ戦 ジェフ千葉
fool's Paradise articlesTB:0CM:0

赤鯱随想~風間監督の理想と現実(2017-2節H岐阜(4))

2017/03/05 23:32

1488602561175.jpg
トヨスタ開幕戦。
グラぽ主宰のグラぽ先生がこちらに遠征とのことで、
レッドオルカくんとともに迎え撃ってきたのであった。
試合前にはAkinoriさんやかざねくんとお会い出来たし、
かもめさんや鯱ぐらおさんとご一緒できたのはとても楽しかった。

閑話休題。

試合は御存知の通り、押し込まれまくった前半
→少し盛り返した後半初め
→からの失点
→からの高さ勝負で無理やり同点、勝ち点1

という、テキストに流れを起こしてみると3年前のグランパスかな?
と思うようなダイジェストになってしまうんだけども、もちろんそうではなくて、
岐阜も名古屋も恐らく昨年とは全く違った姿を見せた上での結果となった。
どちらもボールを大事にするサッカーを標榜する監督を招聘した上で、
実際に2節にしてそれなり以上にチームを変えてきたわけで、
では前後半それぞれ少しずつ違った流れは何が引き起こしたかというと、
どちらかと言うと守備の狙い所がはっきり示されていた岐阜と、
おそらくそこまではっきりとは提示されていなかったであろう名古屋との、
守備のハマり具合の影響が強かったのではないかと感じさせた。

前半の岐阜の守備は奪われた後の出足も極めて鋭く、
かなり正確に名古屋の中盤の組み立てを遮断。
特に前節は顔を出し、受けて叩き、時には持ち上がり、と良い動きを見せていた
八反田は完全にマークされ、受けた瞬間に3人が寄せるという徹底ぶり。
また、杉森の裏を中心にWBの裏を狙うことでWBを後ろにピン止めして、
組織性が少なく5人の前で振り回されるCH2人の脇を使う、
という3バックシステム攻略の教科書のような攻めで名古屋を押し込んでみせた。
一方の名古屋は技術のある庄司とシシーニョが実に良い距離感で動き回るのを
まったくもって捕まえきれなかった。
この差が前半の保持率36% vs 64%に現れたことになる。
この状況に業を煮やした風間監督は前半30分で早くも小林に代えてワシントンを投入。
圧力に負け続けていたCHに、技術は劣るが頑強さで勝る彼で安定化を図る。
果たしてワシントンは受ける動きや技術の質はともかく量とパワーで多少の安定化に貢献。
少なくとも奪われて即ピンチというシーンは減ってはいた。
ただボールを前にもなかなか運べなかったが。

そして後半。
開始してしばらくするとやはり岐阜のシステムはかなり中盤の選手に負担がかかるのか、
庄司、シシーニョあたりがボールを引き出す動きがガクっと落ち、
結果として岐阜が最終ラインでパスを回す姿が目立ち始める。
その結果キツめのパスが中盤に行き、プレスに引っかかる形が増えた。
このあたり、前節も今節も相手の方が先に脚が止まったわけで、
同じように相手にボール持たれて脚が止まってた昨年に比べると、
スタミナという部分でも昨年とは格段の差だなあなどと思わされる。

この試合については結局シュートというよりその前の精度の問題でゴールを割り切れず、
逆に相手に先制を許す形になると、その後は玉田に代えてフェリペガルシアを、
そして杉森に代えてシモビッチと前線に迫力を出す形で矢継ぎ早に交代。
この采配は3人のニアを気にしたポジションでパンチングに行った、
相手キーパーのビクトルがかぶり、マークしていたシシーニョの前に入った内田が
仕留めるという形で実を結ぶこととなり、結局引き分けとなった。
(以下興味深かった点をざっくりと)


この記事の続きを読む…
赤鯱随想 グランパス 2017リーグ戦 FC岐阜
fool's Paradise articlesTB:0CM:0

赤鯱随想~2017H岡山戦をレビューしつつポジションおさらいその2

2017/03/02 23:38

昨日の続き!

【センターハーフについて】
結局足首の状態に不安のあった小林が間に合い、八反田小林の組み合わせで開幕を迎えた。
守備時は前線との挟み込みにプレス、そしてスペース管理を、
攻撃時はCBを2枚とも大きく開かせてダブルでCBポジションに落ち、
「ボールロストダメ、ゼッタイ!」という圧力を受けながら動き回ってボールを進めていくタスクだけに、
技術と運動量、そして細心の注意が必要であり、開幕でやや堅い選択肢が多かったのは
ある意味ではしかたないことだったとも言えるだろう。
それでも大きな破綻なく90分を戦い抜き、風間監督がCHに求めるボーダーラインを、
その高さと共に知らしめたと言えるのではないだろうか。
本人たちもコメントで「もっと縦につけないと」と反省を口にしており、
そして監督の前所属での作り方を見るとそれこそがこのサッカーの肝になるのも間違いない。
このポジションのもう一人の本命、田口も復帰に向けて前進していて、
田口がこのポジションで違いを見せられるのかが実に楽しみなところだ。
セルフジャッジ癖さえ出なければ信頼を得られると思っているけど。
そして、矢田、磯村はあまり名前が出てこなくはなってきているけれど、
虎視眈々とポジションを狙ってほしいところだ。
少し扱いが難しいのがこのポジションにおけるワシントン。
プレーを見たわけではないので保留だが、どう使うのだろうね。

【左右ストッパー】
戦前の予想通り3バックシステムを引いてきたわけだが、
左に内田、右に宮原というチョイスには風間監督の考え方の精髄を見た。
簡単に言うと「受けに回るつもりは全くなく、つまらない失い方をケアする」ということ。
最後方でのボール扱いが破綻して失点につながる可能性をまず少しでも排除する、
というところからスタートした、ボールの扱いと運動量を主眼に置いた選択だろう。
今日の組み合わせだといずれもボールを運ぶ事もできるというのも大きかった。
ただ、この2人が見せたのはそこだけではなく、
身体を当てての粘り強い守備など、空中戦はともかく地上戦では十分に頑強だった。
攻撃面では内田の扱いが面白く、ビルドアップで余らせて和泉の替わりに幅を取らせる形。
これについては「内田だから」というところもありそうで、
内田じゃない選択をした時にWBともどもどんな選択をするのか、
別の機会のパターンも気になるところだ。
またこの日は右には宮原をチョイスしていたが、
そのポジションはワシントンも試されていた経緯があり、
たとえば相手の前線が高さとフィジカルを押し出してきそうな時に
ワシントンとか他のCBを使うのかどうかなど、気になる要素が満載だ。
そして、左は特に、思いの外内田がハマった代わりに、
内田以外に務まる人材出るのか的な不安も。
今年ユースで順調に伸びてくれたら、青山くんはここのポジ見込みで採用されそうな。

【スイーパー】
この日は櫛引を抜擢し、櫛引はその献身性と頑強さで見事勝利に貢献。
特に、前への早いチェックから相手を潰して奪って持ち上がり、
クロスから先制点に結びつけたシーンは見事だった。
それ以外も相手のハイボールに身体を張るなど、DFリーダーとしても十分。
おそらく今後このポジションで求められるのは、
まずは広いカバー範囲と味方の後ろ目のスペースで安全なパスコースを作る運動量。
そして、ボールを持ったときに安易に蹴らずにすむ技術と目の速さ、になるだろうか。
高さにまさる大武ではなく櫛引だったのはそこが買われたからだろう。
もちろん岡山の前線に高さがないことも計算にあったはずで、
これが高さのある相手だとどのように組み立てるのか。
そして怪我をしてしまったシャルレスも含め、どう使われるかが楽しみなポジションだ。
カバー範囲という意味では酒井のためにあるようなポジションなんだろうけど、
ここで名前が出てこないということはよほど不器用なんだろうなあ。

【ゴールキーパー】
楢さんでもちろん安定。
相手の決定機で一番危なかったやつもきっちり触ってポスト直撃まで追いやっていて、
今年も「おまえがイチバン」であった。
キーパーまで戻す形でもとりあえずは大きな破綻はなし。
もっとも、流石に今日みたいな風で鋭いキックを飛ばす選手でもなく、
求められる基準が変わった中、どんな風に進めていくのか、楽しみではある。
また、怪我や疲労とも闘うシーズンなわけで、残りの3人も十分チャンスはありそうだ。


赤鯱随想 グランパス 2017リーグ戦 ファジアーノ岡山
fool's Paradise articlesTB:0CM:0

赤鯱随想~2017H岡山戦をレビューしつつポジションおさらいその1

2017/03/01 23:07

試合日の内容は感情の赴くままに書いているので、
改めて2月26日(日)に行われたホーム岡山戦について、
風間監督がそのポジションに何を求めていそうか、
みたいなところと共に書き殴ってみる。
本日は前線3人とウイングバックについて。

【当日のフォーメーション】
LINEUP111488267824036.jpg 

【前線について】
この日の組み合わせは1トップ2シャドーに佐藤寿人、玉田、永井という布陣。
ただ実像はというと、佐藤寿人と永井が相手最終ラインと勝負しつつ裏にギャップにとボールの引き出しを試み、
玉ちゃんはいつも通り玉ちゃんロールだった、というのが正解かもしれない。
玉ちゃんは相変わらずフリーにギャップを動き回りボールに触って収めていたが、
後の2人にはなかなかボールが届かずに苦労していた。
それでもなお勝負を止めない上、奪われば全速力で戻って挟みにいったりポジション埋めたり、
という部分が徹底出来ていた辺り、佐藤寿人は流石だし永井についてはこんなに良い選手なのかと思った次第。
前半の3人だと徹底した地上戦になるわけだが、前半は相手の脚が活きていたこともありなかなかチャンスにはならず。
ただ、この辺りはCHからのパスの出方との兼ね合いもあるので、これからを楽しみにしたい。

後半はシモビッチをトップに、佐藤寿人、永井を2シャドー気味にと明確にし、
シモビッチの頭を活かしたりデコイにしたりとランドマークを作る形も試し、
「繋ぎ倒す」というのとは別の柔軟な形でいくつかのチャンスを作り出していた。
前半一杯地上戦を刷り込んだうえでの空中戦導入は相手にかなり対応を苦しくさせていた感もあり、
ボールを手放すことになったとしても箸休め頭休めとしては有効なのでは、と思わせる内容ではあった。

さらに最後の交替で青木をシャドーに入れた時は独特のリズムのドリブルでちょこちょこ観衆を沸かせていた。
恐らく現状「目の速さ」で杉森和泉に劣る分リザーブなのだろう、というプレーぶりだったが、
そこ次第では違いを出してくれる選手の一番手に座れるかもしれない。

他にこのポジションでベンチ入りしていたフェリペ・ガルシアは出番なし。
置き換える候補は永井とか佐藤寿人ということになるのだろうけど、
この2人より彼が優れていそうなのは高さとフィジカルということになる。
終盤の疲れてきた相手にシモビッチと並べて足元と高さの2択で殴り続ける、
というやり方は容易に思い浮かぶが、果たしてその選択を風間監督がするのだろうか。
矢田、杉本、和泉、杉森あたりもここで使われる案はあるとは思う。

【ウイングバックについて】
りょーさんのツイートを引用させていただくと


ということで、シャドー同様、それ以上に仕掛けて違いを見せること、
そして同時に攻守に切り替えを速く上下動することを求められていると想像される。

その結果として開幕戦のメンバーに選出されたのが右の杉森と左の和泉であった。
いずれも本来はゴールに近いところで力を発揮するアタッカーであり、
この選定にも風間監督の明確な意志を垣間見ることができる。

では実際はどうだったかというと、2人とも周りとの連動でよくパスコースを作り、
ボールを受けるタイミングも多かったが、
特に前半は全体的に押し込みきれなかったこともあってか前への仕掛けという意味では今一つ。
特に杉森サイドの深いところはやや相手の狙いどころに定められていた感もあり、
杉森は少し不完全燃焼感が強かったかもしれない。

また、杉森と和泉には明確なポジショニングの違いがあって、
良くも悪くもポジションフリーに動き回っていた和泉と違い、
杉森はかなり長い時間をサイドラインギリギリに陣取って幅を作るイメージの仕事をしていた。
左はその役割を内田がやっていたきらいもあるのでどちらが良いかというのは
なんとなく見る側の好みになりそうな気もするが、
ネガトラなどの際の復元性や様々な場面で再現性の高い杉森の動きの方が好ましく思えるのは
なんというか昨年のボスコや昨今のポジショナルな見方のおかげもあるかなあと。
風間監督がどう考えているのかは分からないが、
何となく杉森はその考え方を大事にしつつそこで違いを出す方法を編み出して欲しいと思う。
逆に和泉の動きについては効果も認める一方でよほど周りがそのポジションを埋める動きを意識しないと、
被カウンター時に危なっかしいことこの上ない。
ここが何らかの形で整理されるのかは注目しておきたい。

さて、このポジションを争っているのは現状青木が最右翼で実際に使われていたけど、
宮原や八反田、小林あたりとのパス交換にスムーズさを欠く部分もあり、
上にも書いたがまだ「目の速さ」「頭の速さ」の部分で杉森には劣っているなあという印象。
ただし、個で打開する力では青木の方が上回りそうで、杉森との争いは盛り上がって欲しいところだ。

これ以外でこのポジションで争っているのはおそらく杉本で、高橋と古林の評判が聞こえてこないのも、
このポジションには守備よりも最後のフィニッシュに絡めることが優先の思惑があるのだろう。
そういう意味ではキショーさんが残留してこのポジションでどんな魔改造を受けるのかは見てみたかったifではある。
赤鯱随想 グランパス 2017リーグ戦 ファジアーノ岡山
fool's Paradise articlesTB:0CM:0

赤鯱随想~2017OfficialYearBookインプレッション

2017/02/28 22:50

日曜日についにベールを脱いだ2017グランパス。
風間監督の意向によりチームの仕上がりはかなりの部分隠されていたが、
リーグ初戦を見たことによりようやく語れるものとなったように思う。

そして、それを語るうえで重要な副読本になりそうなのが、先週土曜に発売となった、
『GRAMPUS Official YearBook 2017』である。
選手紹介の楽しさやビジュアルと共に、インタビューの部分でも大変興味深かった。
個人的な覚書替わりに、この項でまとめておくことにする。

【選手に求めたこと】
イヤーブックのインタビューで触れられているところでいくと、


まず選手には 
「すべての試合に5-0で勝つ」 
「人のせいにするな、モノのせいにするな」 
「ボールを大事にしよう」
 ということを求めました。 
(GRAMPUS Official YearBook p9 監督インタビューより引用)


とある。
この3つは「どんなサッカーをするか」を表しているわけでは全くないが、
全て風間監督が最終的にやらせたいことに端的に繋がってくる、
ということが開幕戦ではっきりしたように思う。
監督自身はこの一番最初の「5-0」ばかりがクローズアップされていて苦笑することも多いようだけど、
おそらくこの3つはワンセットで風間監督のサッカー哲学であり、人生哲学なのだろう。

【目の速さ】
また、インタビューでは風間監督のよく使うフレーズ「目の速さ」についても、
インタビュアーがかなり突っ込んで聞きに回っている。
(今井ちゃん有能!)
詳しいところはそれぞれで読んでいただくとして、僕が読んで想像する限りだと
「目から入った情報を次の判断&プレーを、速く&正確に行うことつなげる」
ことを求めているんだと思う。

1つだけ引用をさせてもらうと、


(略)~本当に目が速くなる。見えているものが静止画になってくるんです。 
プレーが「速い」と感じているのは自分の認識だけで、 
速くないのに「速い」と錯覚してしまったら成長に繋がらない。 
(GRAMPUS Official YearBook p9 監督インタビューより引用)


という部分があって、これが前にあるバスケのメンタルトレーニング本で読んだ
「集中力」の説明と定義の内容にほぼ合致する。
そちらの本では集中力のことを、
「1秒10コマの紙芝居に置き換えると、全部が読み取れてるのが高い状態、
 不安とか怒りで乱されることで読み取れるコマがどんどん減っていく」
「結果として、高い集中力の時はたくさんの情報が読み取れるので時間がゆっくりに感じる、
 乱されている時は情報が読み取れずにあっという間に時間が流れる」
という風に論じている。
おそらく風間監督の言っている目の速さもこれと似たようなことなのではないだろうか。
怒り、不安、迷い、それからボールを扱う技術的なことにリソースを割くことで、目は「遅く」なる。
だからこそまずは足元の、「止める、蹴る」を追究するのだろう。

【ではどこを見るのか?】
監督インタビューの中ではインタビュアーにより「どこを見るのか」についても言及されているのだが、
この部分については監督よりも選手の側から実に興味深い発言が出ていた。


田口
今まで聞かなかった言い方でも言うよね。
「攻撃の時は敵を見ろ。守備の時は味方を見ろ」とか。
(GRAMPUS Official YearBook p55 田口・磯村インタビューより引用)


赤鯱新報を読んだり、他の媒体からも
「風間監督は曖昧な言い方をせず、誤解のない言葉で伝えてくれる」
と選手からも評判の風間監督の言葉である。
というか、これまでの監督はいったいどんな表現で伝えていたんだろうね。
「感じろ!」とか言っていたのかしら。

…閑話休題。
その中で田口が言う風間監督に言われた言葉が上の引用部分だったという。
この内容、特に「守備の時は味方を見る」の部分は松田浩さんが昨年上梓されていた
『サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論』における
「守備のポジションはボールの位置と、次に味方の位置で決定される」
というゾーンディフェンスの基本とされる論理と酷似している。
そういえば昨年序盤、川崎の守備にゾーンディフェンスのエッセンスが感じられる、
というような話がタイムライン上に流れていたような気がするが、
その考え方は現在の風間監督の中にもあるということなのかもしれない。

ただし、松田さんの説くゾーンや、昨年までいたボスコやら、
欧州に詳しい方々が紹介してくれるいわゆる「ポジショナル」な考え方に比べると、
風間監督の指向している守り方はよく言えばアグレッシブ、悪く言えば無謀とすら映るように思う。
和泉が右サイドまで出張って攻めに加わったり、
櫛引が前に出てボールを奪いに行ったり、というのが機能しなかった時に、
どう復元性をもたせていくのか、もたせずに別の選手に埋めさせるのか。
興味は尽きない。

【全体として】
どんどん前に寄せていくという特殊性と合わせて、ボールを奪われた時、奪った時に、
何を見て、何を判断するように求めているのかが恐らくこの監督の指導の肝なんだろうし、
それがたくさんピッチに描かれることを楽しみにしたいと思う。
ともかく、この週末が待ち遠しい。
赤鯱随想 グランパス
fool's Paradise articlesTB:0CM:0

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